1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、
|


|
2026/1/26
|
|
細胞の居候「ミトコンドリア」 が細胞内の発電所役!? そこで日々、 自分の体重ぐらいの 動力が作られている |
|
細胞の居候「ミトコンドリア」が細胞内の発電所役!?そこで日々、自分の体重ぐらいの動力が作られている命とは何か?「細胞」から見えてきた命の正体⑩
「不死の細胞を持った女性がいた――」 「細胞内を2本足で歩くものがいる!?」
「ミトコンドリアが重要な エネルギー供給源だった」などなど、 命の最小単位「細胞」の秘密を知れば、
「まさか、こんなことが自分の体の中で 起きていたなんて!」と思うはずです。
最先端の生命科学が今「命」を解明中。
2025年ノーベル生理学・医学賞の 免疫細胞の研究が、 がんなどの治療に応用されるように、 私たちも恩恵を被っています。
NHKスペシャル「人体Ⅲ」の 書籍化『命とは何か? 「あなた自身の命の秘密」を解き明かします。
運命共同体ミトコンドリア宿主の「生と死」の鍵を握る居候「命の最小単位」である細胞の中で 「たんぱく質」のキネシンが荷物を運ぶことで 生命活動が維持されていることを紹介しました。
しかし、 そもそもなぜ、単なる物質にすぎない キネシンが動けるのでしょうか?
ここから、 その根源的な問いに答えていきます。
キネシンに限らず、 細胞内で働くさまざまなたんぱく質に エネルギーを供給する、 いわば「細胞内の発電所」のようなものが存在します。
それが、「ミトコンドリア」です。
この連載をご覧のみなさんであれば、 ミトコンドリアという言葉は耳にしたことが あるのではないでしょうか。
しかし、 ミトコンドリアの役割は単なる発電所にとどまらず、 「命とは何か?」を考えるうえで 決して欠かせない重要な鍵を握っていることが、 取材を通じて見えてきました。
風の力で歩く「砂浜の生命体」オランダ・ハーグのスフェベニンゲン海岸には、 毎年、不思議な“怪物”が姿を現します。
大学で物理学を学んだアーティスト、 テオ・ヤンセンさんが1990年から 制作・発表を続けている作品群、 「ストランドビースト」です。
名前の由来は、 オランダ語で砂浜を意味する「strand」と、 生物を意味する「beest」をつなぎ合わせた造語。
プラスチックのチューブでできた単なる 「物質」であるにもかかわらず、
風の力を受けて歩く姿はまさに生命体のようで、 一度見たら忘れられないほどのインパクトがあります。
日本でも全国の美術館などで 「テオ・ヤンセン展」がたびたび開催されており、 目にしたことがある方も多いかもしれません (ユーチューブなどで「ストランドビースト」と検索すると、
さまざまな作品を見ることができます)。
「人体Ⅲ」では、「なぜ物質であるキネシンが、 まるで生き物のように歩くのか」を説明する際に、 同じく物質でできていながら生き物のように 歩くストランドビーストのミニチュア模型を例に挙げました。
命のない物質でも、 「動くための構造」があり、
「動力源」――ストランドビーストにとっては 「風」――があれば、 生き物のように歩くことができるのです。
では、キネシンにとっての「風」は、 いったい何なのでしょうか?
「生体のエネルギー通貨」ATPそれはずばり、 ATP(アデノシン三リン酸) と呼ばれる分子です。
その大きさは、 わずか1ナノメートル程度。
キネシンの大きさが80ナノメートルでしたから、 それよりもずっと小さな物質です。
ATPはいわば「充電式の電池」のようなもので、 水と反応させること(加水分解)で 大きなエネルギーを放出します。
実はキネシンの「両足」に相当する部分には、 ATPがカチッとはまる 「鍵と鍵穴」のような構造が存在します。
そこにATPが結合すると、 加水分解反応が起き、 ちょうど一歩分のエネルギーが供給されるのです。
つまりキネシンが一歩あゆみを進めるたびに、 新たなATPが「カチッ、カチッ、カチッ」とはまり、 順に消費されていくというわけです。
なお細胞内ではキネシン以外にも、 無数のたんぱく質がATPを 動力源として機能しています。
しかもこの仕組みは人間に限らず、 ほとんどすべての生物に共通しているため、 ATPは「生体のエネルギー通貨」とも呼ばれています。
通貨がさまざまな買い物に使えるように、 ATPもまた細胞内の多様な反応に使われている そんなイメージです。
しかし、 私がこの仕組みを細胞分子生物学の 分厚い教科書で初めて知ったとき、
大きな疑問が浮かびました。
「そんな都合よく、 ATPがキネシンの足元にカチッと結合するものかね?」。
別の言い方をすれば、 「いったい細胞内がどれほどATPで満たされていれば、 キネシンが早足で移動できるだけのATPが、 『歩くたび』に『たまたま』 供給されるのだろう?」という疑問です。
その問いに答えてくれたのが、 愛知県岡崎市にある 分子科学研究所のグループリーダー、
飯野亮太さんです。
飯野さんは、 細胞内で働くたんぱく質を「生体分子機械」と捉え、 その作動原理と設計原理を 明らかにする研究を行っています。
さっそく、 たんぱく質が機能するために不可欠なATPが、 細胞内にどれほど存在しているのかを尋ねてみました。
「細胞内では、常に大量のATPが作られています。
具体的には、 毎日、自分の体重とほぼ同じ量のATPが 体内で生産されていると考えられます。
たとえば体重50キログラムの人であれば、 50キログラム分のATPが 1日で作られている計算になります。
でも、そのぶん体重は増えませんよね。
それは、作ったすぐそばから、 キネシンなどのたんぱく質がそれを消費しているからです」
ATPひとつの重さはどれくらいかと言うと、 その分子量は507ダルトン。
グラムに換算するとおよそ 0・0000000000000000000008グラムになります (小数点以下にゼロが21個!)。
か、軽い! こんなに軽いATPが、 毎日体重分作られては消費されている……
その数の圧倒的なスケールが伝わってきます。
さらに飯野さんの話は続きます。
「いま『この瞬間』に体内にあるATPは、 せいぜい数十グラム程度です。
これは数十秒から数分で使い切ってしまうような量です。
ATPが枯渇すると私たちは生きていけませんから、 そうならないよう常に細胞内では ATPが作り続けられています。
その結果、 1日の累積で体重相当の量に達するわけです」
つまり、 もしもいまATPの生産がすべて止まってしまったら、 私たちの活動限界まであと数十秒から数分ということになります。
なんだか、 3分間しか地球で活動できないウルトラマンのようですね (厳密には、グリコーゲンや脂肪のように蓄えられた エネルギー源もあるため、 実際にはもう少し長く動ける可能性はあります)。
いずれにしても、 途方もない数のATPが作られ、 同時に消費され続けている――細胞内は、
そんな“ダイナミックな自転車操業” によって機能しているようです。
「細胞内はたんぱく質などの部品で満ちあふれている」 とお伝えしましたが、
そこにATPという「エネルギー通貨」も 大量に含まれているということになります。
そして、この莫大な量のATPの生産を担う中枢こそが、 ミトコンドリアです。本書ではこの後、
ミトコンドリアのさらなる驚きの役割、 「命の正体」の解明へと探求は続きます。
また、 その過程で明らかになってきた 「病気のメカニズム」や「最新治療」などまで 『命とは何か? 「細胞」から見えてきた命の正体』でお伝えします。
「私たちの命は、 地球上のどんな技術や富をもってしても再現できない、 奇跡の存在です」と語るのは ノーベル賞科学者の山中伸弥さん。
タモリさんは、 「この奇跡を、普通に生きましょう」と語った番組が、 NHKスペシャル「人体Ⅲ」です。
テーマは、「命とは何か?」という生命科学における究極の問い。 「死なない細胞」の存在を追って、 著者の塚越亮太さんの取材の旅は始まります。
ひとりの女性の細胞が70年以上 死なずに増え続けるのはなぜか?
その細胞のお蔭で、 薬の開発や生命科学の解明が進みました――。
そして、世界最先端の研究から、 命の最小単位である「細胞」の解明が今、 進んでいます。
細胞内は想像をはるかに超えた 「ワンダーランド」とも言えるような世界です。
2本足で歩く小さな妖精のような物体が荷物を運んでいたり、 サッカーボールの形に合体する物質があったり、 同居人のミトコンドリアが細胞内の物質を動かす エネルギー供給源とわかったり――。
たとえば、 人が生きるのに必要な糖質を吸収するために、 細胞内では絶妙なチームプレーが続けられているのです。
「喜怒哀楽」や「能力」「病気」「老化」なども 細胞レベルの研究が進んでいます。
脳の神経細胞では“細胞内の運び屋”がせっせと 「喜怒哀楽の元」を運んでいるので 私たちは喜びや悲しみを感じます。
細胞を活性化する行動が「能力」アップにつながることも明らかに。
老化の解明で抗老化薬の開発が進み、 若いころのように病気になりにくい 未来がもうすぐそこだと言われています。
世界最先端の研究者が命の探求を通して 生まれた哲学も紹介しています。
私たちも「命」の正体を知ることにより、 人生の見方も大きく変わるかもしれません。
<参考: >
|
|
| |