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2025/6/5
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宇宙時代でも期待される日本企業の水処理技術 |
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宇宙時代でも期待される日本企業の水処理技術技術士が解説する水関連ニュース原田 篤史 唐突ですが、 私は「宇宙兄弟」という漫画が大好きです。
そろそろ新刊が出るという事で楽しみでならないのですが、 この漫画の中で、主人公の六太が 月面基地でトイレの修理をするシーンが印象的で、
水処理技術者としても興味深いものを感じています。
宇宙空間ではトイレという設備も重要ですが、 水も重要な資源なんです。
その水の元となるのが人間の尿。
今回は究極の閉鎖空間の中での 水リサイクルの現状について、 解説してみましたのでお楽しみください。
人類の宇宙進出と水という生命線近年、 月面探査計画の進展や民間企業の 宇宙旅行ビジネス本格化など、
宇宙に関するニュースがメディアを 賑わせています。
かつては遠い夢物語だった宇宙が、 今や新たな経済圏や人類の活動領域として、 現実的な視座で語られる時代となりました。
しかし、 この宇宙進出の華々しい側面の裏には、 人類がその空間で生き抜くための 壮絶な課題が存在します。
真空、極端な温度変化、 そして目に見えない宇宙放射線といった 過酷な環境はもちろんのこと、 最も根源的かつ深刻な問題は、 生命を維持するための食料と水の確保です。
特に水(H2O)は、飲用だけでなく、 酸素生成など、 宇宙での長期滞在において多岐にわたる 用途で不可欠であり、
その安定供給は人類の宇宙活動の まさに生命線と言えるでしょう。
本記事では、 この宇宙における水に焦点を当て、 その確保と再生利用の最前線、
そしてそこに挑む日本企業の 技術力について深掘りしていきます。
![]() 人類の現在の長期生存可能領域としては ISSが最高度になりますが、 近い将来、月面や火星まで広がる事でしょう。 宇宙での長期滞在を支える水リサイクルの現実人類が宇宙空間で活動する上で、 水の確保がいかにクリティカルな課題であるかは、
過去の宇宙滞在記録からも明らかです。
例えば、 1回のミッションにおける人類の 宇宙最長滞在記録は、
ロシアのワレリー・ポリャコフ宇宙飛行士が 達成した438日間。
これは1年以上の期間であり、 これだけの長期間、
数名のクルーが生活し活動を続けるためには、
膨大な量の水が必要となります。
仮に1人が1日に飲む水を2リットル、 生活用水を加えて数リットルと見積もっても、 地球から全ての水を輸送していては、
打ち上げロケットの積載量や コストの観点から到底現実的ではありません。
そこで国際宇宙ステーション(ISS)では、 「環境制御・生命維持システム (ECLSS:Environmental Control and Life Support System)」と呼ばれる、
まさに宇宙船内の生命線を担うシステムが稼働しており、 その技術の一つとして高度な 水リサイクル装置が組み込まれています。
このECLSSによって、 宇宙飛行士の尿や手洗いなどで使用した 生活排水はもちろんのこと、
船内の空気中に含まれる水蒸気までもが 貴重な水源として回収・再生されます。
この水蒸気には、 宇宙飛行士の汗や呼気に 含まれる水分も含まれており、
文字通り「使えるものは全て使う」という 徹底した閉鎖循環系が追求されているのです。
こうして再生された水は、 再び飲用水や生活用水として利用されるだけでなく、
ISS内で必要な酸素を供給するための 重要な原料ともなります。
具体的には、 水を電気分解することで水素と酸素を取り出し、 この酸素が宇宙飛行士の呼吸に 使われるという仕組みです。
このように、ISSにおける水は、 あらゆる形でリサイクルされ、 宇宙での持続的な活動を支えるための 不可欠な循環資源として、
その一滴たりとも無駄にできない極めて 重要な役割を担っているのです。
無重力が水処理にもたらす困難と進化ISSの生命維持を支えるECLSSですが、 その水リサイクルシステムも最初から 完璧に機能していたわけではありません。
開発当初や運用初期には、 宇宙特有の環境に起因する数々の困難に直面し、 その解決を通して技術が磨かれてきました。
例えば、 ECLSSが本格導入される以前は、 補給船によって地球から運ばれる 貴重な水に大きく依存していた時期もありました。
そして、 水リサイクル装置が搭載された後も、 予期せぬトラブルに見舞われます。
その一つが、 宇宙飛行士の尿から水を回収する プロセスにおける「膜ろ過装置の早期閉塞」です。
調査の結果、 その主な原因は尿中に含まれる カルシウム濃度が地球上よりも高いことでした。
無重力空間に長期間滞在すると、 骨への負荷が減少し、
骨からカルシウムが溶け出して 体外へ排出されやすくなるのです。
これは、 地球上で長期間寝たきりの状態が続くと 骨がもろくなる現象と類似しており、
宇宙環境が人体に与える影響が、 水処理システムにも波及した 典型的な事例と言えるでしょう。
この問題に対し、 完全な解決には至らず、
カルシウムによる影響を考慮して、 あえて装置の回収効率を調整して 運用しているのが現状です。
こうした経験は、 地球上での水処理の常識が宇宙では 通用しないことを改めて浮き彫りにしました。
地球上で最も広く利用されている 水処理技術の一つに沈殿分離があります。
これは、 水中の不純物を重力によって沈降させ、
清浄な水と分離する手法ですが、 重力がほとんど存在しない宇宙空間では、 不純物はいつまで経っても沈みません。
また、水そのものの振る舞いも大きく異なります。
地上では容器の形に従う水も、 宇宙では表面張力によって球状になり、 ふわふわと宙を漂います。
このような基本的な物理現象の違いが、 配管設計や気液分離といった 水処理プロセスの随所に影響を及ぼし、
地球上と同じ装置や方法論をそのまま 適用することを困難にしています。
ISSで運用されている水リサイクルシステムも、 こうした宇宙特有の現象を克服するために、
遠心分離や特殊な膜技術など、 重力に依存しない工夫が凝らされています。
宇宙空間での水処理は、 こうした一つ一つの課題解決と 知見の積み重ねによって、
ようやくそのノウハウが蓄積され始めた、 まさに発展途上の技術分野なのです。
日本の技術が宇宙の水問題を解決へこれまで見てきたように、 宇宙空間における水処理は、
地球上とは異なる特有の困難が伴い、 高度な技術が要求される分野です。
この領域では、 長らくアメリカやロシアが 高い技術力を有してきましたが、
近年、 日本の技術も宇宙開発の現場で 確かな存在感を示し始めています。
特に注目されるのが、 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と 民間企業の連携による取り組みです。
その代表例として、 日本最大の水処理エンジニアリング企業である 栗田工業株式会社が開発を進めてきた、
次世代の水再生システムが挙げられます。
ISSに搭載されている既存の水リサイクル装置は、 複数の大型ラックを占有する規模ですが、
栗田工業が開発したシステムは、 これを大幅に超小型化することを目指したもので、 既にISSでの実証実験を成功させています。
この革新的な水再生システムの核心には、 イオン交換樹脂による不純物除去、 電気分解と触媒酸化を組み合わせた 有機物の完全分解、
そして電気透析によるイオン成分の調整といった、 複数の高度な水処理技術がコンパクトに 統合されています。
詳細な技術解説は専門的になるため割愛しますが、
重要なのは、 これらの技術が無重力環境下でも確実に機能し、
かつISSのような閉鎖された極限環境においても 安全に運用できるよう、 細心の注意を払って設計されている点です。
例えば、 装置の故障が宇宙ステーション全体の 安全性に影響を与えるような事態は 絶対に避けねばなりません。
栗田工業の装置は、 地上での徹底した試験を経て、
2019年から約2年半にわたるISSでの 実証実験が行われ、 その性能と信頼性が確認されました。
この成功は、 将来の月面基地やさらに遠い 宇宙探査ミッションにおいて、
日本の水処理技術が重要な役割を果たす 可能性を大きく開くものです。
ちなみに、 中国が独自に運用する宇宙ステーション 「天宮」においても、
詳細なシステムは非公開ながら、 同様に高度な水再生技術が導入されており、
宇宙での持続的な活動には不可欠な 技術であることが世界的な 共通認識となりつつあります。
![]() JAXAのホームページ資料 フロンティアは月へ:水資源が生み出す新たな宇宙経済圏ISSで培われてきた高度な水リサイクル技術は、 地球低軌道を超え、
人類が次なるフロンティアとして目指す「月」においても、 その重要性がますます高まっています。
月面での持続的な活動を実現するためには、 ISSと同様、 あるいはそれ以上に効率的な 水の確保・再利用システムが不可欠となるからです。
近年、 月の極域などには「氷」の状態で 水が存在する可能性が科学的な 探査から示唆されており、
これが現実となれば、 月は単なる通過点ではなく、 宇宙開発における重要な資源供給基地へと 変貌する可能性を秘めています。
地球から大量の水を輸送するコストと制約を考えれば、
月面で現地調達できる「水」は、 まさにゲームチェンジャーとなり得るのです。
この月面資源のその場利用 (ISRU: In-Situ Resource Utilization)の概念は、
今後の宇宙探査の 成否を左右する鍵とされています。
この壮大なビジョンに果敢に挑戦しているのが、 日本発の宇宙ベンチャー企業、 株式会社ispaceです。
同社は、 月面での水資源探査とその利用を視野に入れ、 月面探査プログラム「HAKUTO-R」を推進しています。
既に100億円を超える大規模な 資金調達にも成功しており、
月への高頻度かつ低コストの輸送サービス構築と、 月の水資源を水素や酸素といった 推進剤や生命維持に必要な物質に 変換することを目指しています。
2023年にはミッション1のランダー (月着陸船)が月面着陸に挑み、
最終局面で難航したものの、 着陸シーケンスの大部分を成功させ、
貴重なデータと教訓を獲得しました。
これらの経験は後続のミッション2、ミッション3へと活かされ、
月面における水資源探査・開発という 目標へ着実に歩みを進めています。
ispace社の取り組みは、 単に技術的な挑戦に留まらず、
月を舞台とした新たな経済圏の創出、 そして地球と月を結ぶ宇宙輸送インフラの確立という、
未来の宇宙産業を形作る上での先駆的な試みとして、 世界中から大きな注目を集めています。
![]() 月面で水が採取できるのであれば、 地球よりも重力が軽いので、 火星へのベースキャンプとしての利用も期待できます。 宇宙時代を切り拓く日本の水処理技術とその未来日本発の先端技術は、 ISSでの運用に留まらず、
今後本格化する月面での持続的活動や、 さらにその先の火星有人探査といった、
より困難で長期にわたるミッションにおいて、 不可欠な役割を担うと期待されます。
月面で採取される可能性のある「氷」から水を生成し、 それを飲用水や生活用水、
さらにはロケット燃料である水素や酸素に変換する、
このような構想の実現には、 高効率で信頼性の高い水処理・再生技術が鍵となります。
また、 宇宙という極限状態で磨かれたこれらの技術は、 将来的に地球上の水不足や水質汚染といった 喫緊の課題解決にも貢献する 「スピンオフ」の可能性を秘めています。
![]() 日本で生まれたアイディアが宇宙世紀の 人類の役に立つかも知れない?! まとめ・宇宙での生命線である水、ISSでは尿も貴重な資源として再生利用 ・無重力の課題に日本の技術。超小型水再生装置が宇宙開発に貢献 ・月が水供給基地になる未来。日本企業が拓く宇宙経済の最前線
<参考: >
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