ゴミを出さない社会、
江戸時代の暮らしに学ぶ
循環の知恵
現代では「SDGs」「サステナブル」といった
言葉が注目を集めていますが、
実は江戸時代の日本はすでに高度な
循環型社会を実現していたとされています。
環境省の「循環型社会白書」によると、
江戸時代には衣食住のあらゆる場面で
リサイクル・リユースが行われており、
都市から出るし尿や灰なども農家と
金銭や野菜で取引される循環圏が
育まれていたとされています。
捨てるものが何もない社会とは
どのようなものだったのか、
江戸の暮らしをのぞいてみましょう。
傘・紙・ろうそくまで、すべてが「資源」だった
環境省の白書によると、
江戸時代には傘や提灯の張り替えを行う職人、
瀬戸物を修理する焼継(やきつぎ)屋、
鍋や釜を直す鋳掛(いかけ)屋など、
現代のリユース・リペア産業に当たる多様な
「職商人(あきんど)」が活動していたとされています。
古傘を買い集めて問屋に持ち込み、
張り替えて再び商品として生まれ変わらせる
循環が成り立っていました。
また、
使用済みの紙を集める紙屑買いも街を巡り、
集めた紙は再生紙として活用されていたとされています。
し尿も灰も「売れる資源」だった江戸の仕組み
環境省の白書によると、
江戸時代には都市から出るし尿が
農家に引き取られるだけでなく、
金銭や野菜と取引・交換されていたとされています。
現代では廃棄物として処理されるものが、
江戸では貴重な肥料として
農業を支える資源だったのです。
灰も同様に取引される資源でした。
かまどから出る灰は「灰買い」が集め、
農業用の肥料や製紙・染色などの原料として
再利用されていたとされています。
こうした都市と農村の間の物質循環が、
江戸の高度なリサイクル社会を支えていました。
現代に通じる「捨てない文化」の知恵
環境省は江戸時代の循環型社会を、
現代の循環型社会形成の
モデルとして位置づけています。
江戸時代には1,000に及ぶ組織が
リサイクルを生業として働いていたといわれ、
士農工商それぞれに循環型社会に通じる
動きがみられたとされています。
物を大切に使い続けることが当たり前の文化として
根付いていた江戸の知恵は、
いま改めてSDGsの文脈でも
見直されているというわけです。
まとめ
環境省の白書が認めるように、
江戸時代の日本は高度な
循環型社会を実現していました。
傘・紙・灰・し尿まで、あらゆるものが
資源として循環する仕組みは、
現代のSDGsの考え方にも通じる
先人の知恵といえます。