あなたが今、
健康のためにお金を使っているなら。
それよりも、
自宅のお風呂に「この温度」で
「この時間」浸かることをお勧めします。
人は血管から老いていく
さて、血流をよくするには、
通り道である血管も健康でなければなりません。
ところが、
血管の老化は知らないうちに静かに進み、
気づいたときにはすでに症状が深刻化している……。
そんなケースが少なくありません。
血管が老いると、
まず硬くなり、血液の通り道が狭くなって
流れが悪くなります。
「動脈硬化」と呼ばれる状態です。
進行すると血圧が上がり、
血栓ができやすくなり、
心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気に
つながるおそれがあります。
血管から始まった老化は、
やがて全身に広がっていく─。
でも、ご安心ください。
入浴が血管の老化のスピードを
ゆるやかにしてくれるからです。
それには「一酸化窒素(NO)」という物質を
体内で増やすことが有効なのですが、
湯船で10分温まるだけで血流が大きく改善され、
NOの産生が促進されることが明らかになっています。
入浴前後の血液を比較した実験でも、
入浴後には血中NO濃度が
増加することが確認されています。
NOの働きは、血管を広げて血流を促進し、
血管のしなやかさを保つことで
動脈硬化の進行を抑えることです。
さらに、血管内の炎症を抑えたり、
血栓(血の塊)ができにくくしたりする作用もあり、
その結果、
プラーク(コレステロールなどが
血管の内側にたまってできる塊)の
悪化や破裂を防ぐことにもつながります。
また、湯船に浸かって体が温まると、
血管が一時的に広がり、
お風呂から上がって体が冷めてくると
血管は自然に収縮します。
この「拡張」と「収縮」のくり返しは、
血管にとってストレッチのような刺激となり、
しなやかさを保つのに役立ちます。
これほど手軽で、
医学的にも信頼性のある健康法は、
そう多くはないでしょう。



