2025/10/12

自分でも気づいていなかった 「本当の性格」を知る 簡単チェック法

 
 
 
 
 
 
 
 
 
自分でも気づいていなかった「本当の性格」を知る簡単チェック法

自分でも気づいていなかった

「本当の性格」を知る

簡単チェック法

 
 
 
 
南 和気のキャリア・人事のホンネのサムネイル画像
 
 
 

 

 

新たな年度が始まり、

「チームの連携(組織の一体感)を

大事にしよう」といった取組を始めた

職場や会社も多いのではないでしょうか。

 

外資系企業だけではなく、

日本企業においても社員のバックグランドや

価値観が多様化して、

 

雇用の流動性も高まったため、

あらためて組織としてまとまっていきたい、

という考えが表れているのだと思います。

 

 

しかし現実を考えると、

職場には気が合う人も合わない人もいます。

嫌いな人や話しにくい人もいるでしょう。

 

そんな人たちとも協力しなければならないとき、

相手の性格をあらかじめ理解できていると、

対策しやすくなります。

 

 

グローバル企業では、

相手の性格を体系化して理解し、

多様な社員とうまく連携するための訓練が行われています。

 

今回は、

「性格の分析方法や理解する手法」について解説します。

 

 

◇人の性格は複雑なものである

 
 

かつて、

世界で広く知られた性格診断テストがありました。

 

「MBTI(マイヤーズブリッグス性格指標)テスト」です。

 

これはスイスの心理学者カール・グスタフ・ユングの

「タイプ理論」に基づいた心理テストで、

ヒトの性格を4つの指標で16種類に分類するものです。

 

最近は日本でも、16タイプの性格診断と呼ばれて、

ネットでも簡単に経験できます。

 

 

4つの指標とは、

「外向型 ― 内向型」

「感覚型 ― 直感型」

「思考型 ― 感情型」

「判断型 ― 知覚型」の4種類で、

 

93の質問項目に回答することによって、

それぞれ相反する型を

組み合わせることで16種類に分類します。

 

 

このテストは非常にわかりやすく、

目に見えにくい人の性格を

単純に可視化できるものとして、

 

一時期アメリカだけで年間に250万人以上が

診断を受けたとされます。

 

 

このように性格をいくつかのグループの

タイプ分けする考え方を「類型論」といい、

 

ドイツの精神医学者エルンスト・クレッチマーの

「躁うつ気質」「分裂気質」「粘着気質」の

3分類など多くの手法があります。

 

 

ただこの方法は、

性格を単純化して理解するうえではわかりやすいものの、

 

人の性格はそう単純ではありません。

 

たとえば、

「普段職場では大人しく内向的な人が、

趣味の場で会うと積極的に他の人と

交流している」といったことは珍しくありません。

 

 

このことから、

人の性格は単純なタイプに分類するよりも、

 

「性格には共通の要素があり、

要素ごとに持っている量が人ごとに違う」

という考え方が現代の主流です。

 

これを「特性論」といい、

アメリカの心理学者ゴードン・オールポートが提唱しました。

 

 

特性論の研究が進むにつれ、

人のもつ性格の要素は大きく

5つに集約されることがわかり、

 

これを「ビッグファイブ理論」と呼びます。

 

どの人も共通でもつ5要素を、

それぞれのバランスで持ち合わせていると考えるのです。

 

 

◇自分の性格を把握する

ビッグファイブテスト

 
 

ビッグファイブ理論では、

性格を構成している5要素は

「外向性」「誠実性」「開放性」「情緒安定性」「調和性」となり、

 

レーダーチャートのようにそれぞれの

要素の量を診断することによって性格を判断します。

 

 

たとえば、

それぞれの要素を10段階で評価した場合、

10万通りの性格個性を表現することができます。

 

冒頭の「MBTIテスト」が16種類だったことを考えても、

かなり細かく個性を分けて理解することができます。

 

 

みなさんもご自身の性格を把握するために、

メモを用意してぜひやってみてください。

 

 

以下の文章を総合的に見て、

率直に、

それがあなた自身にどれくらい当てはまるかを評価し、

空欄に7段階で適切な数字を記入してください。

 

 

7→まったく当てはまる

6→ほぼ当てはまる

5→どちらかといえば当てはまる

4→どちらでもない

3→どちらかといえば当てはまらない

2→ほぼ当てはまらない

1→まったく当てはまらない

 

 

①活発で、外交的だと思う (  )

②批判的でもめごとを起こしやすいと思う(  )

③しっかりしていて、自分に厳しいと思う(  )

④心配性で、うろたえやすいと思う(  )

⑤新しいことが好きで、変わった考えをもつと思う(  )

⑥無口で、静かだと思う(  )

⑦同情しやすく、やさしい人間だと思う(  )

⑧だらしなく、うっかりしていると思う(  )

⑨冷静で、気分が安定していると思う(  )

⑩独創的ではなく、平凡な人間だと思う(  )

 

 

出典:『日本語版Ten Item Personality Inventory(TIPI-J)

作成の試み』 2012年  小塩真司、阿部晋吾、

 

回答ができたら、

下記の数式に各設問の点数を当てはめることで

それぞれの特性要素の傾向が表現できます。

 

 

外向性 =(①の点数+8−⑥の点数)/2

誠実性 =(③の点数+8−⑧の点数)/2

開放性 =(⑤の点数+8-⑩の点数)/2

情緒安定性 =(⑨の点数+8−④の点数)/2

協調性 =(⑦の点数+8−②の点数)/2

 

 

いかがでしょう。

みなさんの各要素の数字が計算できたでしょうか。

 

他にも複雑なテスト方法もありますが、

まずは性格傾向を把握するには

このビッグファイブテストは十分だと思います。

 

 

◇性格特性は仕事や

日常生活にどう影響を与えるのか

 
 

ビッグファイブテストで各要素の点数がわかったら、

 

次は「点数が高い要素」と「低い要素」を確認します。

 

つまりそれらの要素に、

皆さんの個性が表出している可能性が高いのです。

 

 

たとえばの場合、

 

外向性:5.5、誠実性:7、開放性:3.5、

情緒安定性:5.5、協調性:6.5 ですので、

 

点数が高いのは「誠実性」「協調性」で、

低いのは「開放性」です。

 

 

それらを下記の表で性格の傾向に当てはめることで、

概ね性格の特徴が理解できます。

 

 

【誠実性のスコアが高い、または低い人の特徴】

 

スコアが高い:「協力的」「真面目」「堅実」「伝統的」

スコアが低い:「示威的」「非友好的」「せんさく好き」「形式ばらない」

 

 

【協調性のスコアが高い、または低い人の特徴】

スコアが高い:「信頼できる」「礼儀正しい」「だまされやすい」「理想主義」

スコアが低い:「人を寄せ付けない」「懐疑的」「用心深い」「ぶっきらぼう」

 

 

【外交性のスコアが高い、または低い人の特徴】

スコアが高い:「友好的」「野心的」「競争好き」「雄弁」

スコアが低い:「同調的」「優柔不断」「控えめ」「平凡」

 

 

【情緒安定性のスコアが高い、または低い人の特徴】

スコアが高い:「感情的」「気難しい」「気まぐれ」「情熱的」

スコアが低い:「寛大」「堅実」「穏やか」「鈍感」

 

 

【開放性のスコアが高い、または低い人の特徴】

スコアが高い:「機転が利く」「自発的」「創造的」「風変わり」

スコアが低い:「おとなしい」「冷淡」「陰気」「冷静」

 

 

◇性格は変えられるのか?

 
 

「こんな性格だったらよかったのに」と

何かイヤな経験をしたときに、

自分の性格を変えたいと思ったことが

誰にでもあるのではないでしょうか。

 

 

性格が途中で変わるものなのかは、

まだ科学的に結論が出ていないところですが、

 

少なくとも私たちは、

自分の性格を把握することで、

自らの考え方や行動をあるコントロールしやすくなります。

 

 

いつもと結果を変えたいと思う場面があれば、

意識的に自分の性格と逆の考え方や行動をすると、

 

違う結果が得られる可能性があります。

 

これを「認知行動療法」といい、

教育やスポーツ、ビジネスなどさまざまな

場面で取り入れられています。

 

 

まずは、

今回のビッグファイブテストを楽しみながら、

 

自分や周囲の人の性格を

把握することから始めてみましょう!