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2025/9/11
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ピラミッドの「未知の回廊」、 火山のマグマ、地震の断層…… 巨大な物質の内部を透視できる 「驚異の技術」 |
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ピラミッドの「未知の回廊」、火山のマグマ、地震の断層……巨大な物質の内部を透視できる「驚異の技術」はるか宇宙の彼方から届く「謎の手紙」として、 宇宙物理学者たちの好奇心を刺激し続けてきた「宇宙線」。
その研究からは新事実の発見が相次ぎ、 さまざま科学的叡智が生み出されてきた。
本連載では、 世界的な話題を呼んだ“最強クラスの宇宙線” 「アマテラス粒子」を発見した宇宙物理学者が、 知られざる「宇宙線のひみつ」を伝える。
「ミューオン」の驚くべき使い方宇宙線の一種である「ミューオン」には、 驚くべき使い方があります。
なんと、火山やピラミッド、 古墳やビルといった巨大な構造物の内部を 「透視」できてしまうのです。
「ミュオグラフィ」と呼ばれる、 そのしくみを説明しましょう。
前に述べたように、 地球大気に入射したエネルギーの高い宇宙線は、 大気との相互作用によって空気シャワーを生成します。
この空気シャワーの中で生まれた荷電パイ中間子は、 ミューオンとミューニュートリノに崩壊します。
上空でつくられたミューオンはエネルギーが高く、 相対論効果によって時間がのびるために地上まで到達します。
ミュオグラフィのしくみミューオンは透過力が強く、 物質と相互作用することから比較的検出 しやすいという特徴をもちます。
ミューオンは荷電粒子であるため、 物質を通過するときにエネルギーを渡すという 相互作用を起こしながら進みます。
この相互作用を「電離損失」と呼びます。
ミューオンからエネルギーを渡された物質は エネルギーの高い状態になり、 これがもとの状態に戻るときに光を発します。
この光を「シンチレーション光」と呼び、 シンチレーション光を発する物質のことを 「シンチレーター」と呼びます。
ミューオンを見つけ出すには、 まずシンチレーション光を高感度な光センサー (光電子増倍管など)で検出します。
次に、細長いシンチレーターと光電子増倍管を準備し、 X軸方向とY軸方向のそれぞれで通過した ミューオンの位置を測定すれば、 宇宙線が通過した位置がわかります。
そして、このX軸とY軸の測定を離れた場所に もう一ヵ所準備して、 場所を確定させれば、 ミューオンの到来方向を決定できます。
他に、ミューオンが通過したときの飛跡を計測できる 「原子核乾板」と呼ばれる検出器があります。
原子核乾板とは写真のフィルムのようなもので、 日本では1910年に木下季吉によって、 放射線が原始核乾板に写ることが発見されました。
原子核乾板は、ミューオンが通過した飛跡を 精密に記録できるメリットがありますが、 記録が上書きされ続けるため、 定期的に回収して現像する必要があります。
ちなみに、 湯川秀樹が予言したパイ中間子は、 パウエルらによる原子核乾板を使った 宇宙線測定で発見されました。
ミュオグラフィで「火山のマグマ」を透視ご存じのとおり、 「フォトグラフィ」は、カメラによって光をとらえて 静止画を生成することを指します。
それに対して、「ミュオグラフィ」は、 光の代わりにミューオンをとらえることで 静止画を生成することを指す言葉です。
地球に到来する宇宙線と大気との 相互作用によって生成されるミューオンは、 電荷をもつためにあらゆる物質と 相互作用しながら進みます。
この利点を活かして、 巨大な物質を透視することが、 「ミュオグラフィ」の技術的な本質になります。
ミューオンは常に降り注いでいますが、 物質が存在すればその分だけ遮蔽されて 到来頻度は減ります。
たとえば、 地下深くに潜ると到来するミューオンの量は減ります。
ミューオンが途中の物質と相互作用をしながら進み、 エネルギーをすべて失うとそこで止まるためです。
もし、ある方向に非常に密度の高い物質が存在すれば、 その方向から到来するミューオンが「減少」します。
逆に、ある方向に空洞が存在すれば、 その方向からのミューオンは「減らない」というわけです。
具体的な例を挙げましょう。
薩摩硫黄島の火山では、 ミュオグラフィの技術を使って、 マグマの位置が現在どこにあるのかを 突き止めることができました。
マグマが存在している箇所は、 他の岩石と違って密度が小さく、 到来するミューオンの数が他の箇所よりも増加します。
この情報を使って、 火山という巨大物質を透視することに成功しました。
その他にも、 「地下に断層が存在するか」についてミュオグラフィで 調べる研究があります。
また、ミュオグラフィを使えば、 原子炉の炉心の状態を中身のウラン燃料を 取り出さずに調べることもできます。
ミューオンはいつも降り注いでいますので、 内部の状況を常に把握することが可能です。
あるいは、 河川堤防の劣化状態などについても、 壊さずに調べることができるでしょう。
巨大構造物を非破壊で探査できるという点で、 宇宙線はとても役に立つのです。 選択箇所をポストする 回廊の位置は外壁に近い部分だったため、 隙間からファイバースコープを挿入し、 内部の写真を確認したところ、
ミュオグラフィから予測される大きさの回廊が 実際に存在することが明らかになりました。
4500年間も閉じられていた空間が、 ミュオグラフィによって発見されたのです。
日本でも、 古墳の内部を調べるために ミュオグラフィの活用が進められています。
さらに野心的な計画として、ニュートリノを使った 地球の内部の透視も検討されています。
ニュートリノはほとんど相互作用しませんが、 ほんのわずかな質量をもつため、 地球を貫通するときニュートリノの種類が 変化するという「ニュートリノ振動」を起こしています。
この振動を精密に測定することで、 地球内部の物質がなにでできているかを 明らかにできると期待されているのです。
ニュートリノを使って地球内部の静止画を作成するので、 「ニュートリノグラフィ」と呼ぶべきでしょうか。 今から研究の進展が楽しみです。
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