2026/10/7

地球全体が凍る、 生物の9割が絶滅する… 知的生命の誕生に 不可欠だった 「地獄のリズム」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

地球全体が凍る、

生物の9割が絶滅する…

知的生命の誕生に

不可欠だった

「地獄のリズム」

 
 
 

もし未知の異星人から

「あなたはどこから来ましたか?」と

問われたら、どう答えますか?

 

 

「地球から」という回答は、

宇宙規模の社交場では失笑を

買ってしまうかもしれません。

 

実は私たち地球人は、

ある決定的な理由により、

宇宙の平均レベルよりも科学の発達が

遅れている可能性があるのです。

 

 

 

 
 
イメージギャラリーで見る

 

 

ファーストコンタクトの日に

恥をかかないために必要なのは、

 

地球の狭い常識ではなく、

宇宙のどこへ行っても通用する

「普遍的な教養」と「宇宙的思考法」です。

 

 

多種多様な異星人が行き交う

宇宙ステーションで繰り広げられる、

知的で刺激的な問いの数々。

 

宇宙で真に求められる

「本当の科学知識」とは

一体どのようなものなのか、

 

その知的な冒険の一端を

ぜひ覗いてみてください。

 

 

 

「アナタは『何』でできていますか?」
宇宙人からの思いがけない問い。

この問いに答えられなければ、

待つのは破滅か絶望か――。

地球の当たり前が崩壊する、

人類絶滅サスペンス!

 

 

 

 

 

地球の脊椎動物ならではの特徴

 

束の間、

いろいろと考えは駆けめぐりましたが、

その質問に答えること自体は簡単です。

 

「はい、私は左右対称です」

あなたがそう答えると、

次に試験官はこう聞いてきました。

「あなたの指は何本ですか?」

 

またしても意表をつかれます。

 

いや、これも答えるのは造作ないのですが、

あらたまって聞かれると、

頭がくらっとするような感覚をおぼえます。

また少し私から口をはさませていただくと、

地球では、

 

魚類を除くすべての脊椎動物の

手足の指は5本ずつです。

 

そう言うと、

異論が出るかもしれません。

たしかに5本指の動物は多いけど、

馬の蹄は1本指だし、

鳥の足は3本指だし、

うちで飼っている犬の後ろ足は数えたら4本指だ。

 

パンダの指は6本と本で読んだこともある。

例外だらけじゃないか! と。

 

しかし、

それらの動物もじつは5本指なのです。

 

そもそも「指」というものは、

魚類から両生類が進化して陸上に進出して、

胸鰭が前脚になり、

腹鰭が後脚になったときに、

鰭の骨からできたのが最初と考えられています。

 

無脊椎動物には指はありません。

 

当初は、6本指や8本指など、

たくさんの指をもつ両生類もいました。

 

しかし、それらは淘汰され、

なぜか5本指のものだけが生き残り、

爬虫類や鳥類、

さらには哺乳類へと5本指が

受け継がれていったのです。

 

 

馬の最古の祖先といわれている

動物は5本指でした。

 

現在の馬は中指以外が退化して

1本指となったのです。

 

鳥は3本指に見えますが、

後ろ向きに1本生えていて、

もう1本が退化しました。

 

犬や猫、

あるいはカエルなど4本指に見える動物は、

いずれも1本の指が退化したもので、

多くはその痕跡が骨に残っています。

 

また、パンダにはたしかに6本目の指があり、

それによって食事のときに笹をしっかり支えていますが、

この指はあとから新しくできたもので、

進化的にはもとの5本の指とは別物なのです。

 

 

では、なぜ5本指なのでしょう。

それについては、

じつはいまだに謎なのです。

 

しかし、

5本でなくてはならない強い理由が

あるとも思えません。

 

にもかかわらず多種多様な地球の

脊椎動物がみな5本指であることは、

いったんできあがったシステムを

変えるのは案外難しいことを示唆している気もします。

 

私たちは生物の設計図であるDNAを知ってから、

生物というものはわりと簡単に

デザインを書き換えられるような

イメージをもっていますが、

 

生きものは人工物ではないので、

自分自身を一度にすべて

新しくすることはできません。

 

いまあるものを少しずつ変えるのは、

どうしても時間がかかるのでしょう。

 

 

同じようなことが、

哺乳類の骨格にも見られます。

 

知っている方も多いと思いますが、

キリンの長い首も、私たちの首も、

頸椎の数は地球の哺乳類ならすべて、

同じ7個です。

 

キリンの首が長いのは、

頸椎の設計が変わって個数が増えたからではなく、

単に、一つ一つが大きくなったからなのです。

 

この例も、

いまある設計図の根本的な変更が

いかに難しいかを物語っています。

 

 

私は、これはどの惑星の生物でも

同様ではないかと思います。

 

そう考えると、

原始的な生物が知的生物にまで

進化するということは、

 

どの惑星でも、

やはりとてつもなく大変なことに思えてきます。

 

では、

生物が進化するためには何が必要なのでしょうか。

 

面接会場の時間は少しのあいだ、

止めておきますので、

もう少しおつきあいください。

 

 

 

生物進化に必要な

「地獄のリズム」

 
 
 

生物が誕生し、

進化するための条件としてよくいわれているのは

「水」「熱」「大気」といったところでしょう。

 

恒星からの距離がちょうどよく、

これらの条件が整っているとみられる領域を

「ハビタブルゾーン」と呼ぶことも

みなさんはご存じかと思います。

 

しかし、

私はあえて、あまり注目されることが

ないものを条件に挙げたいと思います。

 

それは「リズム」です。

 

かりに最初の生命が海で生まれたとして、

その海が静かなままでは生命は

あまり進化することはなく、

 

進化が加速するためには、

リズムをもって変動する環境が必要だと思うのです。

 

 

その点で、

地球は絶好の環境でした。

 

地球には太陽と月が、

ほぼ同程度に影響を与えるからです。

 

もちろん、

半径を比べれば太陽は

月の約400倍と圧倒的ですが、

 

地球からの距離は太陽のほうが

月の約400倍遠いため、

両者が地球に与える重力はみごとに拮抗しています。

 

この絶妙な位置関係によって、

地球では太陽と月の引力がせめぎあって

「潮汐力」が働き、

 

潮の満ち引きというリズムが生まれるのです。

 

こうしたリズムが環境の定期的な変化をもたらし、

それに対応することで生物の進化が

促されてきたのではないでしょうか。

 

 

さらに地球には、

より大規模な、そして破局的な

影響をもたらす「リズム」もありました。

 

その一つが、

地球全体が凍った球になる「全球凍結」、

いわゆる「スノーボールアース」です。

 

地球では約22億年前、

約7億年前、約6億年前と少なくとも

3回(あるいはもっと)、

 

この激烈な現象が繰り返されたと

考えられています。

 

その理由はここでは省きますが、

地球は簡単に凍りついてしまう惑星なのです。

 

当然、

そのたびに生物は致命的なダメージを受け、

大量絶滅しました。

 

当時の地球を宇宙人が見たら、

生物の存在など考えられない真っ白な

氷惑星としか思えなかったはずです。

 

しかし、

じつはそれらの絶滅が、

生物の進化を加速させたとも

考えられているのです。

 

 

たとえば、

約22億年前の絶滅では、

そのあと地球上に酸素が大量に増えたことで、

 

酸素を利用できる真核生物が

出現した可能性があります。

 

約6億年前の絶滅では、

そのあとにさきほどお話しした

カンブリア紀の大爆発が起こり、

 

多細胞生物が一気に繁栄しました。

 

もし全球凍結がなければ、

地球にはいまだに単純な生物しか

いなかったかもしれないのです。

 

 

全球凍結を原因としない

大量絶滅も繰り返されています。

 

たとえば、

約2億5000万年前のペルム紀には、

生物の約9割が絶滅する

「史上最大の大量絶滅」が起きました。

 

その原因は大規模な火山噴火によって

火山灰が日光を遮断し、

地球が寒冷化したためと考えられています。

 

このときにのちの爬虫類、

さらに哺乳類へと進化する哺乳形類

(ママリアフォルムス)の発生が

促されたといわれています。

 

また、

約6600万年前に巨大隕石の衝突によって

起こった白亜紀の大絶滅では、

恐竜が絶滅して、

 

哺乳類が大型化して繁栄するきっかけとなっています。

 

 

さきほど、

生物が設計図を根本的に変えるのは

難しいという話をしました。

 

失敗を覚悟で大胆なシステム変更を

することは生物にはできません。

 

それでも、

遺伝子や細胞レベルでは、

少しずつ少しずつ、

変化へのある種の準備が蓄積されていて、

気の遠くなるようなそうした時間を経たあるとき、

 

生存を脅かされるようなピンチにさらされると、

一気に爆発的な進化が起こる、

そんなイメージを私はもっています。

 

 

つらいことですが、

原始的な生物が知的生命にまで進化するには、

定期的に「地獄」を見る必要があるということです。

 

 

そして地球は、

そんな「地獄のリズム」をもつ惑星です。

 

決してハビタブルなだけではないのです。

 

その一つの要因として、

冷え切っていないことがあると思います。

 

具体的には、

超高温のどろどろのマグマの塊として

誕生したときの名残を、

まだとどめていることです。

 

それによって外核が熱と流動性をもっていることが、

大陸の分裂や大規模な火山噴火などの

「地獄」の源泉となるのです。

 

反対に、

できてからかなり時間がたって、

冷え切ってしまった惑星で生物が出現しても、

知的生命にまで進化することは難しいでしょう。

 

 

ところで第1章では、

さまざまなスペクトル分類の「太陽」を

比較して、

 

宇宙人が生まれやすい太陽はどのタイプかを

検討しました。

 

そして太陽の寿命と、

知的生命に進化するまでにかかる

時間との関係から、

 

G型(軽量型)、K型(低温型)、M型(極低温型)の

太陽の惑星にしか存在しないのでは、

と推論しました。

 

 

しかしさらに考えると、

低温型や極低温型の太陽では、

ハビタブルゾーンが太陽にかなり

近くなって重力の影響も大きくなるため、

 

惑星には強い潮汐力がかかり、

つねに太陽に同じ面を向けることになります。

 

これでは、

その面にはずっと強烈な日が当たるため

過酷な環境となるうえ、

 

「リズム」という意味でも変化が生まれにくくなるという

二重のマイナス要因が生じてしまいます。

 

 

このことを勘案すると結局、

「宇宙人はG型太陽の周囲にしか生まれない」と

いう結論になってしまうのかもしれません。

 

すると、

宇宙のすべての星の約10パーセントがG型なので、

宇宙人の存在確率にも、

このバイアスがかかってくることになります。

 

 

ただし、

たとえ環境的なリズムがあまりない場所でも、

生命としては十分に進化できるので、

 

たとえば知的生命というより植物に

近いような長寿の動物がいても

不思議ではありません。

 

 

植物といえば、少し余談ですが、

地球の植物がおもに緑色なのは、

緑色の光を吸収しているのではありません。

 

太陽がG型で、そ

の光のピークが緑色にあるにもかかわらず、

植物は緑色の光を使わず反射・透過するからなのです。

 

もしかしたら低温型の太陽の世界では、

植物は真っ黒かもしれません。

 

 

それを「不気味」と感じるのは、

緑色太陽人の先入観にすぎないのです。

 

 

<あわせて読みたい 

漫画『宇宙人と出会う前に読む本』>


「アナタは『何』でできていますか?」
宇宙人からの思いがけない問い。

 

この問いに答えられなければ、

待つのは破滅か絶望か――。

地球の当たり前が崩壊する、

人類絶滅サスペンス!

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 <pre class="moz-quote-pre"> </pre>