夜空を見上げ、宇宙の果てを考えることと、
物質の起源を探ることは、
実は同じ問いにつながっているのかもしれません。
宇宙の始まりと物質の最小単位を円環として結ぶ
「ウロボロスの蛇」。その環は、
宇宙誕生の謎(マクロ)と物質の根源である
素粒子(ミクロ)が繫がっていることを示している……。
このウロボロスの蛇を手がかりに、
その接点に潜む究極の謎へ迫った
『宇宙のはじまりと素粒子
ウロボロスの蛇でたどる現代物理学』
本書は「夜空はなぜ暗いのか?」という
素朴な問いから出発し、
星や銀河の形成、さらに物質の
根源である素粒子へ向かって、
究極の謎へと迫っていきます。
現代物理学がどのように
世界をとらえようとしてきたのか。
今回は、
超新星爆発による重元素合成について解説します。
あわせて、星の一生の終焉についても、
分かりやすく説明します。

超新星爆発による重元素合成
光輝く恒星が自らの重力に耐えきれなくなって
崩壊する現象「超新星爆発」です。
恒星は非常に長い年月をかけて進化しますが、
その寿命は質量が大きいほど短くなります。
一方で、
それよりも重い星は中心にできた
鉄のコアが重力崩壊を起こし、
超新星爆発として華々しくその生涯を終える、
もしくはブラックホールとなり
潰れてしまうと考えられています。
長い年月にわたって星を光り輝かせていた
エネルギーが超新星爆発によって
瞬間的に解放されるわけですから、
これまでよりも重いさまざまな元素が
合成されることは容易に想像できると思います。
現在では、X線をはじめとする多様な天体観測によって、
超新星爆発によってさまざまな元素が合成されていることが
確認されています。
地球上に重元素が存在することの意味
地球上にさまざまな重元素があることは、
実はとてもすごいことを意味しています。
重元素は超新星爆発によって作られるのですから、
太陽とは別の恒星が存在していた過去があり、
それが超新星爆発を起こした跡地に、
我々が暮らす太陽系が形成されたことになります
(図「地球に重元素が存在することの意義」)。
つまり地球や太陽は、
はるか昔の超新星爆発の残骸から
再び作られた星ということになります。
宇宙の歴史において、
太陽系は第1世代の惑星系ではないことは確実です。
第2世代、第3世代、
ひょっとしたらもっと後の
世代かもしれません。
元素合成の研究によって、
とんでもないことがわかっちゃいましたね。
本稿のテーマでは
「物質がどのように作られるか」に焦点をあてたため、
元素を合成するための局所的なエネルギーが生じる
「超新星爆発」を説明しましたが、
ブラックホールや白色矮星に
なるものについても触れておきましょう。