2026/8/17

じつは、太陽系は、 少なくとも「宇宙二世代目か、 三世代目」。 ずっと昔の「恒星の残骸」で つくられたのか… 「地球上にさまざまな 重元素がある」ことの、 深い意味

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

じつは、太陽系は、

少なくとも「宇宙二世代目か、

三世代目」。

ずっと昔の「恒星の残骸」で

つくられたのか…

「地球上にさまざまな

重元素がある」ことの、

深い意味

 

夜空を見上げ、

宇宙の果てを考えることと、

物質の起源を探ることは、

実は同じ問いにつながっているのかもしれません。

 

 

宇宙の始まりと物質の最小単位を円環として結ぶ

「ウロボロスの蛇」。

 

その環は、

宇宙誕生の謎(マクロ)と物質の根源である

素粒子(ミクロ)が繫がっていることを示している。

 

 

このウロボロスの蛇を手がかりに、

その接点に潜む究極の謎へ迫った

1冊『宇宙のはじまりと素粒子 

ウロボロスの蛇でたどる現代物理学

 

今回は、

超新星爆発による重元素合成について解説します。

あわせて、

星の一生の終焉についても、

分かりやすく説明します。

 

 

 

 宇宙のはじまりと素粒子 

ウロボロスの蛇でたどる現代物理学

 

超新星爆発による重元素合成

 

光輝く恒星が自らの重力に耐えきれなくなって

崩壊する現象「超新星爆発」です。

 

 

恒星は非常に長い年月をかけて進化しますが、

その寿命は質量が大きいほど短くなります。

 

その理由は、

質量が大きな星ほど中心部で活発に

核融合が起こるからです。

 

例えば、

質量が太陽程度だと寿命は100億年程度であり、

太陽より10倍重いと寿命は約2700万年、

100倍重いと約260万年と言われています。

 

 

図「星の一生」のイラストで示すように、

寿命だけでなく、

星の一生の終わり方も質量によって変わります。

 

太陽質量の8倍未満の小さい星は、

進化の末に外層をなくし、

 

白色矮星(はくしょくわいせい)として

その生涯を静かに終えます。

 

 

 

【図】星の一生
 
ブラックホールや白色矮星になるものもあるイメージギャラリーで見る

 

 

一方で、それよりも重い星は中心にできた

鉄のコアが重力崩壊を起こし、

 

超新星爆発として華々しくその生涯を終える、

 

もしくはブラックホールとなり

潰れてしまうと考えられています。

 

 

長い年月にわたって星を光り輝かせていた

エネルギーが超新星爆発によって

瞬間的に解放されるわけですから、

 

これまでよりも重いさまざまな元素が

合成されることは容易に想像できると思います。

 

 

現在では、

X線をはじめとする多様な天体観測によって、

超新星爆発によってさまざまな元素が

合成されていることが確認されています

(図「超新星残骸の一例(SN 1604)」)。

 

 

 

 

【写真】超新星残骸の一例
 
 
イメージギャラリーで見る

 

 

地球上に重元素が

存在することの意味

 

地球上にさまざまな重元素があることは、

実はとてもすごいことを意味しています。

 

重元素は超新星爆発によって作られるのですから、

太陽とは別の恒星が存在していた過去があり、

 

それが超新星爆発を起こした跡地に、

我々が暮らす太陽系が形成されたことになります

(図「地球に重元素が存在することの意義」)。

 

 

 

【図】地球に重元素が存在することの意義
軽いものから重いものまでさまざまな元素が含まれるイメージギャラリーで見る

 

 

 

つまり地球や太陽は、

はるか昔の超新星爆発の残骸から

再び作られた星ということになります。

 

宇宙の歴史において、

太陽系は第1世代の惑星系ではないことは確実です。

 

第2世代、第3世代、

ひょっとしたらもっと後の世代かもしれません。

 

元素合成の研究によって、

とんでもないことがわかっちゃいましたね。

 

 

本稿のテーマでは「物質がどのように作られるか」に

焦点をあてたため、

 

元素を合成するための局所的なエネルギーが生じる

「超新星爆発」を説明しましたが、

 

ブラックホールや白色矮星になるものについても

触れておきましょう。

 
 
 

そのほかの終焉を迎える星の姿…

ブラックホールと白色矮星

 

 

夜空を見上げ、宇宙の果てを考えることと、

物質の起源を探ることは、

実は同じ問いにつながっているのかもしれません。

 

 

宇宙の始まりと物質の最小単位を円環として結ぶ

「ウロボロスの蛇」。その環は、

 

宇宙誕生の謎(マクロ)と物質の根源である

素粒子(ミクロ)が繫がっていることを示している……。

 

 

このウロボロスの蛇を手がかりに、

その接点に潜む究極の謎へ迫った

宇宙のはじまりと素粒子 

ウロボロスの蛇でたどる現代物理学

 

本書は「夜空はなぜ暗いのか?」という

素朴な問いから出発し、

 

星や銀河の形成、さらに物質の

根源である素粒子へ向かって、

 

究極の謎へと迫っていきます。

 

現代物理学がどのように

世界をとらえようとしてきたのか。

 

 

今回は、

超新星爆発による重元素合成について解説します。

 

あわせて、星の一生の終焉についても、

分かりやすく説明します。

 

 

超新星爆発による重元素合成

 

光輝く恒星が自らの重力に耐えきれなくなって

崩壊する現象「超新星爆発」です。

 

恒星は非常に長い年月をかけて進化しますが、

その寿命は質量が大きいほど短くなります。

 

 

一方で、

それよりも重い星は中心にできた

鉄のコアが重力崩壊を起こし、

 

超新星爆発として華々しくその生涯を終える、

もしくはブラックホールとなり

潰れてしまうと考えられています。

 

長い年月にわたって星を光り輝かせていた

エネルギーが超新星爆発によって

瞬間的に解放されるわけですから、

これまでよりも重いさまざまな元素が

合成されることは容易に想像できると思います。

 

現在では、X線をはじめとする多様な天体観測によって、

超新星爆発によってさまざまな元素が合成されていることが

確認されています。

 

 


地球上に重元素が存在することの意味

 

地球上にさまざまな重元素があることは、

実はとてもすごいことを意味しています。

 

重元素は超新星爆発によって作られるのですから、

太陽とは別の恒星が存在していた過去があり、

 

それが超新星爆発を起こした跡地に、

我々が暮らす太陽系が形成されたことになります

(図「地球に重元素が存在することの意義」)。

 

 

つまり地球や太陽は、

はるか昔の超新星爆発の残骸から

再び作られた星ということになります。

 

宇宙の歴史において、

太陽系は第1世代の惑星系ではないことは確実です。

 

第2世代、第3世代、

ひょっとしたらもっと後の

世代かもしれません。

 

元素合成の研究によって、

とんでもないことがわかっちゃいましたね。

 

 

本稿のテーマでは

「物質がどのように作られるか」に焦点をあてたため、

元素を合成するための局所的なエネルギーが生じる

「超新星爆発」を説明しましたが、

ブラックホールや白色矮星に

なるものについても触れておきましょう。

 
 

質量によって決まる…

潰れるブラックホールと、

燃え尽きる白色矮星

 
 

核融合反応は圧力が高ければ高いほど促進されます。

核融合炉である星内部の圧力は、

星自身の重力に依存します。

 

 

つまり、質量の大きな星ほど、

星内部の圧力は高く、

核融合反応が促進されるわけです。

 

逆に、質量の小さな星ほど、

核融合反応がだんだんと弱まっていく、

比喩的な言い方をすれば「燃え尽きていく」わけです。

 

 

ブラックホールとは、

非常に高い密度と強力な重力場をもつ天体です。

光さえもその重力場から抜け出すことができないために、

「真っ黒であらゆるものを吸い込む穴」を比喩して

ブラックホールと呼ばれています。

 

 

そして、

これは活発な核融合反応の末に

重い元素が増えたことで、

星内部の密度が高まり、

重力崩壊で壊れた星(つまり核融合炉)が

強い重力で潰れてできると考えられています。

 

 

白色矮星とは、

恒星が核融合反応を停止して収縮した天体です。

ようは燃え尽きた星です。

 

余熱で光(熱放射)を発していますが、

星の中で新たにエネルギーは生み出していないため、

やがて冷えて暗くなっていきます。

皮肉な表現かもしれませんが、

行き着く先は光を発しない黒色の星となるわけです。

 

 

 

【図】地球に重元素が存在することの意義
 
 
 
 
 
ブラックホールと白色矮星、
 
そこに至る過程は大きく異なるにもかかわらず、
 
どちらも最後は黒い天体となることは興味深いですね。

 

 

これまでに宇宙に元素ができてきた

過程を見てきました。

 

さて、

「宇宙のゆらぎ」を分析して出てきた未知の成分

「ダークマター」と「ダークエネルギー」

 

 


 <参考: 田島 治・京都大学大学院理学研究科教授・理学博士>