2026/4/8

予想より「6年」早い、 量子コンピューター “実装前夜”「100兆円市場」 の争いとは?

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

予想より「6年」早い、

量子コンピューター

“実装前夜”「100兆円市場」

の争いとは?

 
 
ここ2~3年ほどの間に、
 
量子コンピューターの世界で「誤り訂正」をめぐる
 
ブレークスルーが相次いだ。
 
 
これによって誤り訂正の技術ロードマップは
 
一気に前倒しが進み、
 
 
100兆円規模とも言われる量子市場をめぐる
 
競争軸が大きく動き始めている。
 
 
 
いまや各国政府、ビッグテック、
 
量子スタートアップ、そしてユーザー企業までが、
 
 
量子コンピューターがもたらす
 
「計算革命」に向けて走り出している。
 
 
その中で日本はどこに立ち、
 
何を強みに戦うべきなのか。
 
 
デロイト トーマツ グループで
 
量子技術統括を務める寺部雅能氏に、
 
 
量子コンピューターの潮流、
 
期待されるアプリケーション領域、
 
世界における投資の状況と日本の立ち位置について、
 
俯瞰的に聞いた。
 
 
 
 
 
量子“実装前夜”
 

 

 

「実装前夜」の量子コンピューター

 
 
「最大のブレークスルーは
 
誤り訂正技術の大幅な進展ですね」
 


 
ここ2~3年で量子コンピューターを取り巻く
 
 
空気がガラリと変わった理由を、こう切り出す。
 
 
 


 デロイトトーマツグループ
量子技術統括
寺部 雅能氏

 
 
量子コンピューターは、
 
量子力学に基づく
 
「量子ビット(qubit)」を計算に使用する。
 
 
 
この量子ビットは熱、振動、
 
電磁波といった外部ノイズに弱く、
 
計算の途中でエラーが頻発する。
 
 
このため、
 
「誤り訂正技術」を本格的に実装できなければ、
 
どれだけ量子ビットを増やしても
 
実用レベルの計算はできない。
 


「2030年ごろに実現し始めると言われていた
 
誤り訂正技術が、
 
 
2023~2024年にかけて次々と
 
実機で実証されました。
 
 
一気に6~7年分の時間が“巻いた”
 
という感覚です」
 


ここ1~2年ほどの間に、
 
QuEra(キュエラ)、
 
Google(グーグル)、
 
Atom Computing(アトムコンピューティング)、
 
Microsoft(マイクロソフト)などが、
 
 
 
量子ビットの生成や誤り訂正の精度向上といった
 
重要なマイルストーンの達成を、
 
次々に報告している。
 
 


画像
 
量子コンピューター実用化見通し時期の前倒し
 

 
 
こうした誤り訂正技術の進展を背景として、
 
各国政府、投資家、事業会社の間で、
 
 
量子コンピューター実用化時期の前倒しへの
 
期待が一気に高まっていると言えよう。
 


その結果、
 
量子コンピューターの研究開発に世界の
 
資本がなだれ込む状況になり、
 
 
ユニコーン級スタートアップも既に
 
複数存在する状況となっている。
 
 
 
 


 
量子コンピューター関連企業の資金調達状況
 
 
 
 
 

ビッグテックがハードを開発する理由

 
IBM、グーグル(Google)、
 
マイクロソフト(Microsoft)、
 
アマゾン ウェブ サービス (AWS)。
 
 
 
直近1年を見ても、ビッグテック各社が
 
自社ブランドの量子チップやマシンを
 
次々に発表している。