「認知力が低い方、うつ症状の方は、
ある指が使えてなくて脳の機能が
低下している方がけっこう多いんです」
驚きの提言をするのは理学療法士の山内義弘氏。
「ある指」とは、ご想像のとおり(手の)親指のこと。
親指と脳は密接につながっており、
山内氏によれば、大脳の運動野、
感覚野ともに親指の占める領域がかなり大きいという。
つまり、
脳から動作の指令を出すにも、
脳へ感覚を届けることにおいても、
親指は極めて重要な役割を担っている。
親指をしっかり使えていれば脳の活動は高まり、
親指を鍛えていれば脳の老化は防げる、
と山内氏は言うのだ。
そのために注目するのが「箸」。
「人が道具を使ううえで一番重要なのが親指。
特にそれが言えるのが箸なんです」
では、どのように箸で親指を鍛えればいいのか?
その前に、
やってほしいのが以下の3つの
準備運動だと山内氏は言う。
【親指の際揉み】親指の爪の両サイド
を優しく左右交互に10回揉む。
【つまみ動作】親指と人差し指、親指と中指、
親指と薬指、親指と小指を左右交互に2往復つまむ。
【親指の第一関節曲げ】
第二関節を伸ばしたまま、
第一関節だけを曲げる運動を繰り返す。
そしていざ本番は【箸を使った豆つまみ】運動だ。
動画では、逆さまにした紙コップの上に
大豆が10個用意され、
それを1個ずつ箸でつまんで隣の
紙コップに移動させるトレーニングを紹介した。
また、左脳(話す、計算的)を司る右手だけでなく、
右脳(想像力、空間認知力)を鍛える意味で、
左手でも行うほうがいいという。
「箸にも棒にもかからない」という言葉があるが、
今のうちから箸を使った山内式トレーニングで
脳を鍛えておきたいところだ。