2023/11/19
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糖尿病を判別する「HbA1c」の見方を 医師が解説 |
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糖尿病を判別する「HbA1c」の見方を 医師が解説 健康診断・血液検査で 調べるこの数値の意味とは?
糖尿病といえば、 血糖値が高くなることはなんとなく 知っている人も多いでしょう。
そこで、 血糖を測定するもうひとつの指標である 「HbA1c」について、 糖尿病専門医の川名部先生 に話を聞きました。
血液中のHbA1c(ヘモグロビンA1c)とは何の数値?糖尿病の診断基準になる血糖値とHbA1cは何が違うの?
糖尿病について教えてください。
川名部先生 糖尿病は、 高血糖(血中の糖濃度が正常値を超える状態)が 持続的に続く疾患です。
放っておくと進行し、 全身の血管に障害が出てきます。
これにより視力障害、腎臓病、神経障害、 心血管疾患などのさまざまな 合併症を引き起こすため、 早期診断と早期の治療が必要です。
どのような基準で診断されるのですか?
川名部先生
糖尿病の診断は、 個々の病状やリスク要因などによって 若干異なりますが、 主に空腹時の血糖値が 126mg/dL以上、 もしくは食後の血糖値が200mg/dL以上だと、 糖尿病と診断される確率が高いと思われます。
さらに、 血中のHbA1c(ヘモグロビンA1c)が 基準以上であれば「糖尿病」と診断されます。
HbA1cとはなんですか?
川名部先生
HbA1cは、 赤血球が血液中でどれだけの糖(グルコース)と 結合しているかを示す値です。
糖尿病の診断だけでなく、 すでに糖尿病と診断された方の 血糖が適切にコントロールされているかを 調べるための指標として用いられています。
血糖値とは違うのですか? 川名部先生
そうですね。 血糖値が、測定した時点での 即時的な血糖の値であるのに対し、 HbA1cは過去2〜3ヶ月間の 平均血糖値を示す指標として使用されます。
一時的な食事や運動の影響を受けないので、 長期間の血糖管理の評価に 適していると言えるでしょう。
血液検査・健康診断結果のHbA1cの数値はどう見ればいい?HbA1c値が5.6だと糖尿病のリスクはある?NGSP値とJDS値とは?HbA1cがどのくらいだと 糖尿病と診断されるのですか?
川名部先生 HbA1cは通常「%」で表され、 一般的には、 血中のHbA1cが6.5%以上なら 「糖尿病」と診断されます。
私たちが血液検査や健康診断の結果で見る HbA1cの数値は、 どう判断したら良いですか?
川名部先生 一般的に、 糖尿病でない方のHbA1cの平均範囲は 約5.0%〜5.7%です。
これは、 健康な人々の平均的な血糖コントロールを示します。
この範囲内であれば、 その時点では糖尿病のリスクは 比較的低いと考えて良いでしょう。
HbA1cの測定値にも種類があると聞きました。
川名部先生 はい。HbA1cの測定値には、 NGSPとJDSがあります。
NGSP (National Glycohemoglobin Standardization Program)は、 アメリカ合衆国で採用されている HbA1cの測定値で、 JDS(Japan Diabetes Society)は、 日本で決められた条件に従った測定値です。
日本のJDSはNGSPに比較して 約0.4%低い値となっています。
健康診断の結果などは、 どう見たら良いでしょうか?
川名部先生 以前は、 JDSの基準値を採用していたのですが、 日本糖尿病学会が国際標準化の基本方針を示し、 海外の基準値と統一するため、 2012年4月1日より、 NGSPでの記載となりました。
2012年3月31日以前の検査結果と 見比べる際などは計算し直す必要がありますが、 ここ10年以内の検査値を見る場合は、 NGSPと考えて間違いないと思います。
健康診断・血液検査でHbA1cが高めの人は糖尿病予備軍?医師に聞くHbA1cの数値を下げる改善方法・食事で糖尿病予防HbA1cが高めの人は 糖尿病予備軍でしょうか?
川名部先生 そうですね。 HbA1cが高い場合は高血糖の兆候である 可能性が高く、 糖尿病予備軍の状態を示唆することになります。
具体的には、 HbA1cが5.7〜6.4%の範囲にある場合、 糖尿病予備軍とみなされることがあります。
糖尿病予備軍と言われたら、 どうしたら良いのでしょうか?
川名部先生 糖尿病予備軍の人々は将来的に 糖尿病を発症する可能性が高いため、 注意が必要です。
糖尿病になる前に、 食事や生活スタイルの見直しを行うことが 健康を維持する上で重要になります。
具体的にどうしたら良いでしょうか?
川名部先生 まずは、 体重を意識して生活していただきたいです。 体重増加は血糖を上げる原因のひとつです。
体重が減れば、 血糖改善を見込めますので、 体重が増えないように意識することは大切です。
実は、毎日体重を測定するだけでも、 体重増加を防ぐ効果があるという報告もあります。
私の患者さんでも、 毎日体重を量るようにしただけで、 自然と意識が高まり、 体重が減ってきたと言う方もいます。
さらに、 余裕があれば通勤などで階段使うなど、 ちょっとした運動を取り入れたり、 夕食の炭水化物を少し減らしてみたりなど、 無理なく続けられそうなことから 始めてみてほしいですね。
最後に、Medical DOC読者への メッセージがあればお願いします。
川名部先生 糖尿病は、 たくさんの合併症があり、 全身に影響を及ぼす疾患で、 早期発見が合併症予防のカギとなります。
現時点で糖尿病と診断されていない方も、 健康診断の結果でHbA1cが5.7以上の人は 予備軍または初期の糖尿病の 可能性がありますので、 お近くの内科医、 できれば糖尿病専門医へ 相談されることをお勧めします。
もちろん、HbA1c6.5以上の方は 早急に受診してください。
もうひとつ、 例えば貧血の方や、 特定のお薬を摂取している方などは、 Hba1cの数値の信頼性が下がっている 可能性もあります。
Hba1cの値だけで一喜一憂せず、 値が正常範囲内でも、 気になることがあれば自己判断せずに 医療機関で検査してもらいましょう。
まとめ一時的な食事や運動の影響を受けず、 長期間の血糖を反映できる 優れた指標ではありますが、 貧血などがあると、 実際とは異なる数値が出てしまうことも あるそうです。
基準以上の方はもちろんのこと、 そうでない場合も、 気になる点がある方は、 お近くの糖尿病専門医に相談してみましょう。
<参考:糖尿病専門医川名部先生>
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