2025/11/1

「長時間」のウォーキング、 心臓の健康と寿命の 改善に効果 新研究

 
 
 
 
 
 
 

「長時間」のウォーキング、

心臓の健康と寿命の

改善に効果 新研究

 
 
 
 

 

(CNN) 「ビーチを長く散歩するのが好き」

と言う人に出会ったことがあるだろうか。

 

もしかすると、そうした人たちはすでに

長寿の秘けつのひとつを見つけているのかもしれない。

 

 

米国内科学会の学術誌に掲載された研究によると、

研究者が「10分以上」と定義した

長時間の散歩をする成人は、

 

短時間しか歩かない人と比べて

心血管疾患や早死のリスクが

大幅に低いことが分かった。

 

 

「多くの研究は(我々の過去の研究も含め)

1日の総歩数に焦点を当てているが、

 

今回の研究では、

歩数をどのように積み重ねるかが

重要であることが示された。

 

特に運動量の少ない人にとって重要だ」と、

論文の筆頭著者で、スペインの

エウロペア・デ・マドリード大学の准教授、

ボルハ・デル・ポソ・クルス氏は電子メールで述べた。

 

「これは、『1日1万歩』という考え方に

ニュアンスを加えるものだ。

 

たとえその数に届かなくても、

短距離を散発的に歩くよりも、]

 

数回長めに歩く方が、

心臓の健康と寿命に大きな違いをもたらす可能性がある」

 

世界の成人の約31%は身体的な活動が少なく、

週に少なくとも150分の運動を行うという

世界的な推奨基準を満たしていない。

 

 

座りがちな生活習慣は、

不眠症や死亡率、

心血管疾患のリスク増加と関連している。

 

 

「歩くことは誰にとっても有益だ。

 

歩くことが害になるグループはいない。

 

しかし、今回の研究結果は、

座りがちな生活を送っている人、

あるいは1日に8000歩未満しか

歩かない人にとって特に重要だ」(デル・ポソ・クルス氏)

 

 

健康に近道はない

 

「多くの人は1分、2分、5分なら大した問題なく歩ける。

 

しかし20分、30分、40分、60分と

長くなると難しくなってくる。

 

我々が目指しているのはまさにこの能力だ」と、

米ナショナル・ジューイッシュ・ヘルス病院の

アンドリュー・フリーマン医師は話した。

 

同氏は今回の研究に関与していない。

 

 

定期的な運動は筋肉を鍛え、

血液から酸素を取り込む能力を高める。

 

これにより心拍数、炎症、ストレスが軽減される。

 


「長く歩くことは、

血行の改善や血圧の低下、

血糖コントロールのサポートなど、

心臓の健康に重要な効果をもたらす

可能性がある」とデル・ポソ・クルス氏は述べた。

 

 

また、長い散歩は心臓への

刺激量を増やす可能性があり、

筋肉を完全に活性化して

働かせるために必要かもしれないという。

 

 

ただし、

他の筋肉と同様、

長時間の運動はすぐにできるようになるものではない。

 

 

フリーマン氏は、

長い距離を歩くことについて、

45キロのダンベルを持ち上げるのと

同じようなものだと話す。

 

「最初からいきなりできるわけではない。

 

少しずつ筋力や体力をつける必要がある。

心肺機能や有酸素運動についても同じことが言える」

 

 

人々はよく「1日1万歩」や

「週150分の運動」といった目標を

目指すよう勧められる。

 

しかし、

特に活発な生活を送っていない人にとっては、

目標達成を継続的に達成するのは難しく、

負担に感じることもあるだろう。

 

 

今回の研究が注目したのは、

歩数ではなく「歩く時間」だ。

 

 

「ペースも重要だが、

歩行時間や継続性も大きな要因になるようだ。

 

だから、1歩1歩を数えるよりも、

1日の中で短時間でも連続して歩く

時間を確保することを意識してほしい」と

デル・ポソ・クルス氏は語る。

 

 

心臓を鍛える

最も手軽な方法は歩くことだ。

 

背筋を伸ばし、肩を引き、腕をしっかり振る

「正しい歩き方」を心がけることで、

腰痛を防ぎ、呼吸を楽にし、

バランスを保ちやすくなる。

 

 

初心者の場合は、

普段より遠くに車を止めたり、

「心地よい有酸素運動」を取り入れたりして

散歩の時間を延ばせる。

 

 

「目標は、

1日約30分の息が切れる程度の運動だ。

これは多くの人にとって強度の高いレベルだ」と

フリーマン氏は話す。

 

息が切れる程度の運動とは、

例えば、

早歩きで会話はできるが、

歌は歌えない状態を指す。

 

 

より長く動ける体をつくることが重要だと

フリーマン氏は強調する。

 

「心臓の予備能力や心臓の強度、

そしてもちろん身体的な強さが必要だ。

 

これらを組み合わせることで、

冠動脈疾患や高血圧など、

あらゆる種類の心臓病に効果的な予防策となる」

 

 

今回の研究は、

英国のデータベース「UKバイオバンク」に

登録された3万3000人超の成人を対象とした

観察研究に基づく。

 

参加者は比較的活動量が少なく、

1日8000歩未満しか歩かない人々だった。

 

すでに重篤な疾患を抱える人は、

結果への偏りを防ぐため除外された。

 

 

研究では加速度計を使って動きを追跡したが、

活動量の測定は1週間のうちの1回のみで、

歩行習慣の変化の可能性は追跡されなかった。