2025/3/19

NK細胞が強ければ、 ガンにもウイルスにも負けない。 強さの尺度と強化法とは

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

NK細胞が強ければ、

ガンにもウイルスにも負けない。

強さの尺度と強化法とは

 

【免疫学の権威・奥村康×和田秀樹③】

 

 

元気に長生きしたければ「免疫力」を上げること。

 

免疫細胞のひとつ、NK細胞を発見し、

83歳の今も免疫研究を最先端でリードする

奥村康さんとの仰天・医学対談!『80歳の壁

著者・和田秀樹が“長生きの真意”に迫る連載。

 

 

 

 

免疫学の権威・奥村康と和田秀樹の対談。

 

 

免疫の仕組み

 
 

和田 せっかくの機会ですから、

免疫について簡単に説明してもらってもよろしいですか。

 

奥村 いいですよ。

免疫っていうのはね、脳の神経細胞と違って、

ものすごく長持ちするようにできてるんです。

 

 

和田 長持ち?

 

奥村 そう。100歳くらいではまったく衰えない。

100歳の人にインフルエンザのワクチンを

打つと効果があるのは、

その証拠です。ただし、

加齢によって低下する免疫もあります。

 

和田 免疫にもいくつか種類がありますからね。

 

奥村 そうです。免疫の仕組みについて話しておきましょう。

 

和田 はい。お願いします。

 

奥村 免疫力を担っているのは、

白血球の中にあるリンパ球です。

これが外から侵入してくるウイルスなどに対処します。

リンパ球にはT細胞、B細胞、NK細胞があります。

 

和田 3種類の役割は、それぞれ違うんですよね。

 

奥村 はい。

T細胞とB細胞は外的と闘う「国の軍隊」のようなものです。

そしてNK細胞は「町のお巡りさん」。

 

和田 わかりやすい(笑)。

 

奥村 同じ軍隊でもTとBでは敵との戦い方が違います。

Bは「抗体」というミサイルを作って

相手を艦砲射撃します。

Tは相手に突進していく地上軍のようなものです。

ミサイルと地上軍の両方がいて、

敵をやっつけることができるんです。

 

和田 なるほど。NK細胞は?

 

奥村 NKは、

TやBのような強力な武器は持ってないけど、

一番先端でかなり頑張ってる。

お巡りさんですからね。

町の不良を見つけると、

片っ端から排除していく。

じつはこのNK細胞は、

30年くらい前に、

我々のチームが見つけたんです。

 

和田 世界的な大発見(笑)。

 

奥村 はい(笑)。

軍隊のTやBは敵がいないときは寝ています。

だから長持ちで、100歳でも衰えない。

ところが、お巡りさんのNKは、

四六時中、頑張って働いています。

このためか、加齢と共に弱くなるし、

ストレスなどのメンタルにも影響を受けやすい。

 

和田 なるほど。

 

奥村 日本の治安はお巡りさんが守るように、

体内の健康はNKが守ってくれています。

私たちの体内には毎日、

5000~7000個ものガン細胞ができてるんですが、

NK細胞はそれを排除してくれます。

 

和田 ガン細胞は、

町の不良のようなものですね(笑)。

 

奥村 そうです(笑)。

人間の体では1日に1兆個の細胞が増えるんですが、

そのうちの一部に不良が現れる。

 

1兆個の中の5000~7000個ですから

割合としては少ないんですけどね。

 

だけど、この不良を野放しにしておくと、

5000が1万、1万が2万……

と倍々で増殖していく。

 

そうやってガンになっていくわけです。

お巡りさんのNKがこれを

未然に防いでくれているんですよ。

 

和田 日本はガンで死ぬ国ですからね。

NKを活性化して、

免疫力を高めることが大事なわけですよね。

 

奥村 そうです。

それでね、NK細胞が優秀なのは、

ガン細胞だけじゃなく、

ウイルスもやっつけちゃうんです。

 

和田 なるほど。

 

奥村 NK細胞の弱い人って、

ガンにもなりやすいし、ウイルス感染にも弱いんです。

 

和田 そう考えると、NKは一番大事な免疫ですね。

 

奥村 そう。

攻撃力は、軍隊のTやBのほうが強いんですよ。

 

だけど、

お巡りさんが活発に働いていれば、

そう簡単にウイルス感染にもならないし、

ガンにもならない。

 

昨今それがいろんなことで証明されて、

注目されるようになってきてるんです。

 

 

NKはメンタルの影響を強く受ける

 
 

和田 NKはメンタルの影響を受けるんですよね。

 

奥村 はい。あなたはメンタルも強そうだから、

NKも強いでしょうね(笑)。

 

和田 (笑)。本当にそう思いますね。

僕は高血圧、糖尿病、

心不全という基礎疾患のデパートみたいな

人間なんですけど。

 

コロナの検査で3回も陽性反応が出たのに、

一度も症状が出たことがないんです。無症状。

 

 

奥村 なるほど。免疫が強いんだね。

感染しても症状が出ないのは、

免疫がウイルスをしっかり撃退しているからですよ。

 

和田 はい。風邪もほとんどひきませんしね。

 

奥村 いつも、非常に前向きですからね(笑)。

 

和田 間違いない(笑)。

 

奥村 NKは年齢の影響を受けやすいんですよ。

50、60代になるとどうしても下がってくる。

すると発ガン率は上がる。

 

和田 そうですね。

 

奥村 若いときはみんなNKが高い。

高等学校の学生を対象に面白い実験をやりましてね。

期末試験のときにNKを測ったら、下がっていた。

 

和田 ストレスの影響を受けた証拠ですね?

 

奥村 はい。やはり試験というのは

逃げようのないストレスなんでしょうね。

試験の後なんかには風邪をひきやすくなるでしょ?

それはストレスでNKが下がるからです。

お母さんから「勉強しなさい」と

言われるのが一番よくない(笑)。

 

 

和田 ストレスの多い職場に、

風邪をひく人が多いのも、同じ理由ですね。

 

奥村 そうですね。だけど若い人は、

楽しい話をしてると、すぐにNKが戻ります。

 

和田 良くも悪くも、

NKはメンタルの影響を受けやすいんでしょうね。

 

奥村 そう。だからね、

本当は臨床の医師なんかも、

うまい具合にNKを高めるように

してあげたらいいんだけどね。

 

和田 本当にそう思います。

多くの医師は、病気ばかりみて、

人を診ませんからね。

 

奥村 そうそう。そこがね。

 

 

NK細胞の強さは

風邪の頻度でわかる

 
 

和田 奥村先生がNK細胞で測ってるのは、

やはり活性のほうですか?

 

奥村 はい。数もあるけど、

だいたいは活性ですね。一人一人の強さです。

 

和田 強い・弱いの目安は?

もちろん血液を測ればわかるのですが、

生活面で何か。

 

奥村 わかりやすいのはね、

風邪をひきやすいかどうかです。

「1年間のうちに何回くらい風邪をひきますか」

という質問でだいたいわかる。

「2~3回ひきます」という人は測ってみると

だいたい活性が低い。

 

つまりNKが弱い。

反対に「ほとんどひかない」という人はNKが強いです。

 

 

和田 なるほど。

僕はいつも思うんですけどね、

血液の生化学検査でGPTや

コレステロール値なんかを測るより、

 

NK細胞の活性とか男性ホルモンの

値を測ったほうがいいんじゃないかって。

 

それが一番元気につながってるんだから。

 

奥村 そうそう(笑)。

 

和田 ちなみに、

NKが強くてもウイルスに

やられちゃうことはあるんですか?

 

奥村 ウイルスがすごく多かったり、

強かったりすると、やられるときがありますね。

 

NKがやられるとTやBが出動する。

そのときには熱が出ます。

平熱時はね、NKが対処してくれているんですよ。

 

 

 

<参考:>