2025/1/15

人生100年時代でも、健康寿命は非常に短い。延ばすためには、脚力と血管力の両方が必要。歩行速度の低下が、動脈硬化の増加に。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

人生100年時代でも、

健康寿命は非常に短い。

延ばすためには、

脚力と血管力の両方が必要。

歩行速度の低下が、

動脈硬化の増加に。

 
 
 
百歳まで歩ける人の習慣
 
脚力と血管力を強くする
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
厚生労働省の「令和4年 国民健康・栄養調査」によると、
 
20歳以上の1日の歩数の平均値は男性が6465歩、
 
女性が5820歩で、直近10年間で減少したそうです。
 
 
そのようななか、
 
愛媛大学医学部附属病院抗加齢・予防医療センター長の
 
伊賀瀬道也先生は「歩かない生活を送ることは、
 
年をとると歩けなくなることに直結する」と指摘します。
 
 
 
そこで今回は、
 
伊賀瀬先生の著書
 
百歳まで歩ける人の習慣
 
脚力と血管力を強くする』から、
 
 
いつまでも歩ける人になるための
 
心がけを一部ご紹介します。
 
 
 

なぜ、年をとると歩けなくなるのか

 
 
 

長年の歩かない生活習慣が元凶

 

 

日本人の寿命は年々延びており、

最近は「人生100年時代」といわれるようになりました。

 

 

でも、たんに寿命を延ばすだけではなく、

介護が不要な状態を保つ「健康寿命」を

延ばすことがより重要であるとの

認識が高まっています。

 

 
 
「健康上の問題で日常生活が制限されることなく
 
生活できる期間」のことをいいます。
 
 

2019年の健康寿命は、男性72.68歳、

女性75.38歳となっており、

人生100年に対し非常に短いことが指摘されています。

 

 

健康寿命が短いということは、

寿命が長くなっても、

 

自分の面倒が自分で見られない

期間も長いことになります。

 

 

健康寿命は、

「食事を自分でとれる」「トイレが自分で使える」

「お風呂に自分で入れる」など、

日常生活ができる期間といいかえることができます。

 

 

それを防ぐには、

自分でしっかり歩けることが

重要な要素であるといえます。

 

 

さまざまな場面で脚力が必要

 

では、私たちはなぜ、

年をとると自分でしっかりと歩けなくなるのでしょうか。

 

 

一般に歩けなくなる原因としては、

加齢(年をとること)が思い浮かびますが、

これ以外の生活習慣として、

 

 

 

 
『百歳まで歩ける人の習慣
脚力と血管力を強くする』

 

 

「1日中、座りっぱなしである」


「外出しても車などを使って歩かない」

 
 

つまり、歩かない生活を送ることは、

年をとると歩けなくなることに直結するといえるのです。

 

 

歩くための力は、

「脚力」といいかえることができます。

 

日常生活では、単純に「歩く」ことに加えて、

階段を上り下りすることや、

 

寝たり座ったりした状態から「立ち上がる」など、

さまざまな場面で脚力が必要です。

 

 

そこで、

普段から脚力を鍛えて、

生活のなかでつまずいたり転倒したりすることを

防ぐのが大切であることは、

容易に想像できると思います。

 

 

百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする

脚力と血管力には親密な関連がある

歩行速度が落ちると動脈硬化が増える

でも、はたして、

それだけで十分に歩けるのでしょうか。

 

 

 

 

私たち愛媛大学医学部附属病院

抗加齢・予防医療センターでは、

 

2006年からアンチエイジング(抗加齢)

研究を行っています。

 
 
 
老化にともなって増えるさまざまな疾患の
 
発症を予防することを目的としています。
 
 
 

病気だけではなく、

転倒、骨折などに直結する脚力の低下に

関する研究も行っています。

 

 

さらに、

脚力に関連する大切な要素として

「血管力」があることを発信しています。

 

 

脚力を評価する指標としては、

下肢のCT(コンピュータ断層撮影)画像を用いて

足の付け根(鼠径<そけい>部)と

太もも(大腿<だいたい>部)の筋肉の面積を測定します。

 

 

太ももの筋肉の面積が大きければ、

筋力も高いと思われます。

 

 

一方、血管力は、

血管年齢といいかえることができます。

 

 

血管年齢は、

おもに血管の柔軟性や弾力性を示す指標で、

代表的な検査としては脈波伝播速度検査があります。

 

私たちが運営する抗加齢ドックの

検査項目としても導入しています。

 

 

そして、抗加齢ドックのデータを解析したところ、

脈波伝播速度検査で「血管力が低い」

(血管年齢が高い)場合には、

 

「脚力が弱い」(太ももの筋面積が小さい)

ことがわかり驚きました。

 

 

 

 

どちらか一方を鍛えても

望む結果は得られない

 
 

このことから、私たちの研究グループでは、

現在も脚力と血管力についての研究を進めています。

 

最近は私たちばかりでなく、

世界中の研究者が脚力と血管力の

相関関係を次々と証明しています。

 

 

とくに、脚力に関して、

『百歳まで歩ける人の習慣 脚力と血管力を強くする』

のテーマである「歩く力」を直接評価する

指標として用いられる「歩行速度」の低下が、

 

血管力の低下(動脈硬化の進展)と

関連するかどうかを高齢者を対象にした研究結果が、

最近、報告されました。

 

 

この研究では、65〜96歳までを対象とし、

492人の地域住民における歩行速度と

血管力の関係を調べています。

 

 

血管力の指標としては、

私たちの研究と同様の血管年齢検査が

用いられました。

 

その結果として、

歩行速度の低下が、

とくに下肢の動脈硬化の増加と関連している

ことがわかり、

 

脚力と血管力の親密な関連が示されました

(「フロンティヤーズ・イン・サイコロジー」

2020年11月23日)。

 

 

このように、

一生歩けるための脚力と血管力には

密接な関係があり、

 

どちらか一方だけを鍛えても望むような

結果は得られません。

 

どちらが先ではなく、

「ともに」重要だと考えています。

 

 

ぜひ、みなさんには、

脚力と血管力を同時に鍛えて、

いつまでも自分の力で歩けるようになって

いただければ幸いです。

 

 

<参考: > 

百歳まで歩ける人の習慣

脚力と血管力を強くする

(著:伊賀瀬道也/PHP研究所)