2024/12/4
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火星の謎の硫黄石が主役、NASA探査車の息をのむパノラマ画像が公開 |
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火星の謎の硫黄石が主役、NASA探査車の息をのむパノラマ画像が公開もしNASAの無人探査車キュリオシティが、 火星から手紙を書いて送ることができたら、 最近の手紙には次のように書かれているだろう。 「親愛なる地球のみなさん。 すごい景色でしょう! あの手つかずの硫黄の岩石をご覧ください。 間もなく先へ進みます。 ご一緒できればいいのですが!」 NASAのジェット推進研究所(JPL)は18日、 火星のゲディズ峡谷の流水地形と呼ばれる 興味深い地域を撮影した目を見張るような 360度パノラマ画像を公開した。 この地域は、 火星の水の歴史を物語っており、 硫黄の結晶をめぐる地質学上の 大きな謎の現場でもある。 キュリオシティは2012年から火星の ゲールクレーターを探査している。 クレーターには巨大な中央山のシャープ山がある。 キュリオシティはシャープ山の麓周辺を移動しながら、 太古の昔の火星が微生物の生息に 適した環境だった可能性があるかどうかを 解明するための調査を実施してきた。 ゲディズ峡谷の流水地形は、 シャープ山の山麓地帯にある。 現在は乾燥した場所だが、 過去に水が豊かな時代があったことを示す証拠がある。 「山のより古い地層はすでに 乾燥した気候で形成されていたが、 気候の変化に伴って時折この地域を 水が流れていたことを、 流水地形は示唆している」と NASAは説明している。 河川や土石流、雪崩などが、 この地形の外観を形成した要因の1つとなっている。 科学者は火星の水の歴史に特に関心を寄せている。 水は、 現在知られている形態の生命に とって重要な要素だからだ。 ゲディズ峡谷の流水地形の 全景を捉えた360度パノラマ画像は、 YouTube上で見ることができる。 キュリオシティは今年、 ゲディズ峡谷で純粋な硫黄の結晶という驚くべき発見をした。 探査車が轢いた岩石が割れ、 この結晶が露出したことから、 研究チームは謎の解明に乗り出したものの、 いまだに明確な答えは出ていない。 「硫黄がそこで形成された理由に関して、 研究チームはまだ説明できていない。 地球では、硫黄は火山と温泉に関連しているが、 シャープ山にはどちらの原因についても、 それを示す証拠がない」とNASAは指摘している。 キュリオシティのプロジェクトサイエンティストの アシュウィン・バサバダは、 これを「おもしろい謎解き」と表現した。 パノラマ画像をスクロールして、 硫黄石を見つけてみよう。 火星で純粋な硫黄が見つかったのは、 これが初めてだった。 このパノラマ画像の撮影で、 興味深い流水地形地域ともお別れだ。 キュリオシティはすでに新たな目的地を見据えている。 ボックスワーク地形の領域に向かう 数カ月間の旅の始まりだ。 火星周回軌道から撮影した画像には、 水と浸食に関連する作用によって 形成された可能性が高い、 クモの巣のような地形が写っている。 トライポフォビア(集合体恐怖症)を抱える人は、 この軌道からの画像によって 症状を引き起こすかもしれないと、 JPLは電子メールを通じて注意を促している。 ハチの巣やヒマワリなどに見られる穴や ブツブツの集合体に恐怖を感じる症状だ。 ボックスワーク地形は地球でも見られ、 洞窟や断崖に関連している場合が多い。 火星のボックスワークは大規模で、 約10~20kmの範囲に及んでいる。 米ライス大学のキュリオシティ担当 サイエンティストのキルステン・ジーバッハは 「この細長い隆起部は、 より温度が高く、 液体の塩水が貫流していると思われる 地下で結晶化した鉱物が 含まれているだろう」と説明する。 「初期の地球の微生物も 同様の環境に生息していた可能性がある。 そう考えれば、 ここは探査すべき非常に興味深い場所の1つだ」 キュリオシティは、 周回探査機では再現不可能な、 ボックスワークを至近距離から観察する 機会を科学者に提供するだろう。 ゲディズ峡谷の硫黄のような、 驚くべき発見がまたあるかもしれない。 これこそが、 火星に地上探査車を送り込む意義なのだ。 何が見つかるかは、誰にもわからない。 <参考:>
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