2024/8/5

幸せホルモンがアップ!呼吸を「する」でのはなく「感じる」ことで脳と心を整える方法

 
 
 
 
 

幸せホルモンがアップ!

呼吸を「する」でのはなく

「感じる」ことで脳と心を整える方法


 
 
 
 

私たち人間が当たり前にしている呼吸。

 

実は、その呼吸こそ、

脳疲労回避に役立つだけでなく、

 

仕事のパフォーマンスアップにも

大きく貢献するという。

 

いったいどんなメカニズムなのか?

その方法とコツを解説する。

 

 

 

脳神経内科医
山下あきこさん

 

 

呼吸に意識を集約することで

様々な雑念を脳から引き離す

 
 

「脳疲労の原因は、考え続けて、

雑念が止まらなくなること。

 

使わなくてもいい思考が回り続けることによって、

脳が疲弊してしまうのです。

 

その疲れを取る方法のひとつとして、

呼吸があります」

 

 

「呼吸には2種類あります。

 

1つ目は普段している無意識的な呼吸。

2つ目は深呼吸やため息のように、

意識的に行なう呼吸です。

 

前者は、

延髄の呼吸中枢が指令を出して行なう

胸郭主導の胸式呼吸、

後者は、

自らの意思が働くことで意識的に

お腹に空気を送り込んで吐き出す腹式呼吸。

 

同じ呼吸でも、

働きかける部分が大きく違います。

 

後者の腹式呼吸を使って、

〝今、呼吸をしている〟

ということだけに意識を向け、

自然な呼吸を繰り返すことで、

様々な考え事から脳の思考を

切り離すことができるのです」

 

 

 意識を呼吸に集中させ、

回転し続ける脳をいったん休止させることで、

疲労の回復を図ることができるというのだ。

 

さらに呼吸には、

必須アミノ酸であるトリプトファンから作られる

脳内の神経伝達物質の一種で、

 

〝幸せホルモン〟

とも呼ばれるセロトニンを増やす効果もある。

 

 

意識的呼吸(腹式呼吸)のメカニズム

 
 

意識的呼吸(腹式呼吸)のメカニズム

 

 

呼吸前後の血中セロトニン濃度の変化

 
 
 
 

呼吸前後の血中セロトニン濃度の変化

 

 

意識的な呼吸を行なった時の、

血液中のセロトニン濃度を調べた実験結果。

 

集中して呼吸を始めて5分ほどで効果が表われ、

セロトニンが脳に働きかけることで頭が冴える。

 

 

祝日のない6月、

GWから働き詰めでそろそろ疲れが

たまってくる頃ではないでしょうか?

 

 

「やり方は簡単。

鼻からスーッと息を吸ってお腹に空気を送り込んで、

自然に任せてフーッと吐き出します。

 

口から吐いてしまうと二酸化炭素が

抜けすぎてしまって脳血管が縮まり、

血流悪化の原因にもなるので、

吐く時も鼻を使うのがおすすめです。

 

ここでもうひとつ大切なのは、

呼吸を操作せずに、観察モードになること。

 

『何秒で吸って何秒で吐き出そう』

『1分間に5回のペースでゆっくりやろう』など、

目標を立ててしまうと、

考えるモードから抜け出すことができません。

 

『今、呼吸をしている自分』に気づき、

感じ続けることが、この呼吸法では最も大切です。

 

すぐに考え事が浮かんでしまうような時も、

ダメ出しをせずに自分を許容してあげることです」

 

 

 呼吸を感じ、

観察し、雑念が浮かんできたら、

そういう自分にも気づいて、もう一度呼吸に意識を戻す。

 

がんばりすぎずに、

自分を解放するひと時を持つことこそ、

疲れを取るのに大きな意味を持つと、

山下医師は言う。

 

 

「一般的には、5分以上継続することで、

脳のアルファ波が増えてゆったりとした脳波になり、

疲労が取れるといわれています。

 

20分以降はそれほど効果に違いがないので、

5〜20分で無理のない範囲がベスト。

 

できるだけ継続することが大切です。

 

そうすることで、

雑念にとらわれることが減って、

呼吸に集中できる時間が長くなってくるはず。

 

ただ、呼吸に集中しづらいという人は、

吐く息自体を数えたり、

セルフナレーションで『空気が鼻から入ってくる、

お腹が膨らんでくる、凹んでいく……』と、

自ら実況をすることでも、

呼吸に意識を向けやすくなります」

 

 

また、この呼吸法は、

仕事の効率アップにも効果的というから注目だ。

 

「人間の脳には、

考え事をしている時に働く

デフォルトモードネットワーク(DMN)

というシステムがあります。

 

これは、

脳の消費エネルギーの60〜80%をも占めており、

鬱病やクヨクヨしやすい人ほど、

このシステムの活動量が大きく、

脳疲労しやすいといわれています。

 

観察モードの呼吸には、

この神経活動を鎮め、反対に、

 

脳の司令塔ともいえる

DLPFC(背外側前頭前野)

を活性化させる効果があるのです」

 

 

このDLPFCは、

目標達成への遂行能力や判断力、

問題解決能力などにも深く関係するという。

 

朝の目覚めの数分や通勤の電車の中など、

隙間時間でもできる

〝感じる呼吸〟が、

疲労回復と仕事のパフォーマンスアップに

つながるというのなら、

早速、試してみたいところだ。

 

 

お疲れ脳をリセットする

呼吸のキホンと姿勢

 
 
 

Step.1|正しく座る

 
 

正しく座る

 

 

身体を前後左右に揺すり、

お尻が安定して体が真っすぐになる位置を探る。

 

顎を引き、両手は膝の上に。

手のひらを上にすると肩が外を向き、

胸郭が広がり呼吸がしやすくなる。

 

 

Step.2|姿勢を整える

 
 
 
 
 

姿勢を整える

 

 

手を組んで、

骨盤を立てるように思いきり背伸びをしたら、

組んだ手を離してスッと下ろす。肩は思いきり脱力。

 

 

Step.3|呼吸を行なう

 
 
 

呼吸を行なう

 

 

軽く顎を引き、目は閉じるか、

半目で斜め45度方向に視線を落とす。

 

最初にフーッと意識的に息を吐き、

後は自然な呼吸を感じるのみ。

 

 

呼吸に意識を向け続けるためのHint

 
 

息を吐くたびに、「1、2、3……」と数えていく、

座禅では〝数息観〟といわれる方法。

1をずっと数え続けても◯。

 

 

 

呼吸に数字をラベリング

 

 

【3】セルフナレーション

 
 

今、どこに意識が向いているのか、

実況中継をするように心の中でつぶやいてみる。

 

言葉にすることで、

意識が逸れたことに気づきやすくなる効果もあり。

 

 

ギャンブル、無駄づかい、喫煙、飲酒、

やめたくてもやめられない人におすすめの

〝脱・依存脳〟シフト

 
 

誰もが何かしら、

『やめたい』と思っているのになかなか

『やめられない』悪習慣を持っているもの。

 

その悪習慣をゾンビ習慣と呼び、

やみつきさせる脳の仕組みを解明、

「エモーションシフト」という新メソッドを用いて、

「今度こそ」やめられるコツとワザをわかりやすく

解説した新刊が『「やめられない」を「やめる」本 

-脱・依存脳-』が話題だ。

 

 

 

 

『「やめられない」を「やめる」本 -脱・依存脳-』
著/山下あきこ(脳神経内科専門医) 

 

 

<参考:山下あきこ(脳神経内科専門医)> 
 
 
  
 

1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、

 

 


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