2024/7/22

話が上手く伝わらない原因「スキーマ」とは何か?認知科学が教えるコミュニケーション改善術

 
 
 
 
 
 

話が上手く伝わらない原因

「スキーマ」とは何か?

認知科学が教える

コミュニケーション改善術

 

 
 
上司と部下、同僚、取引先…
 
 
ビジネスシーンでもさまざまな「伝わらない」が起きる
 
 
 
 
 

 

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか

 
 

 

上司に仕事の報告をした際、

意図した内容がうまく伝わらなかった。

 

改めて報告しても、やはりうまく伝わらない。

 

「言い方が悪かったのかもしれない、

別の言い方にしてみよう」と考える人もいれば、

「上司がちゃんと聞いてくれないからだ」

と考える人もいるだろう。

 

 

こうした行き違いが起こる原因について、

今井氏は次のように説明している。

 

 

私たちはそれぞれが頭の中に、

「当たり前」を持っており、

 

その「当たり前」は皆、

同じわけではありません。

 


こうしたことを念頭に置くと、

冒頭で取り上げたような

「伝えたいことがうまく伝わらない」原因は、

 

この「当たり前」の違いを

超えることができなかったり、

 

認知の力がうまく働かなかったり

することにあるといえます。

 

 

相手が理解できるかどうかは、

自分と関係のないところで決まる?

 
 

人間は誰しも自分が

「当たり前」だと考える枠組みを持っていて、

 

その枠組みは認知心理学で

「スキーマ」と呼ばれている。

 

スキーマはその人がどのような環境で育ち、

どのような経験をしてきたかに影響され、

個人の興味関心によっても変わってしまう。

 

 

大事なのは“人間は物事をスキーマを通して

理解する”という点を知ることだ。

 

部下からの報告もスキーマを通して聞いているし、

テレビの内容もスキーマを通して見ている。

 

 

つまり、伝える側の言葉を理解できるかどうかは、

受け取る側がどのようなスキーマを通して

聞いているかに大きく影響される。

 

この点を理解していないと、

言い方や表現の仕方、

伝え方を変えてもあまり効果がないかもしれない。

 

 

人間の記憶がいかに当てにならないか

 
 

例えば、

伝える側が重要な内容だと考えて話しても、

受け取る側は重要だと感じず忘れてしまうケースがある。

 

これも、スキーマの違いによって起こる事態だ。

 

自分と相手の価値観や優先順位は違う、

と意識して発信する必要がある。

 

 

同時に、

人間の記憶がかなり曖昧だということも知っておきたい。

 

 

たとえ嘘をつくつもりがなくても、

誰かの発言や自分の願望、感情、

そして自身のスキーマによって、

 

記憶は影響を受け、

 

あなたにとっての「事実」がいつの間にか

つくり上げられてしまうのです。

 

 

「言った」「言わない」で口論になった経験は、

誰でも一度はあるのではないだろうか。

 

すれ違いや記憶違いの背景にあるのは、

人間の認知能力の問題なのだ。

 

 

コミュニケーションに欠かせない認知能力、

しかし…

 
 

「頼んでおいた仕事が締め切りまでに終わらない」

「約束の時間を忘れてしまう」…

 

こうしたトラブルも認知能力のあやふやさが

原因になっているケースがある。

 

一度自分が正しいと思い込んでしまった事柄に関しては、

間違っていると自覚するのも難しいからだ。

 

 

 
人間はそれぞれスキーマを通して
 
世界を理解しているため、
 
どうしても視点や考えに偏りが生まれる。
 
 
 
加えて、
 
自分が認識したごく一部の情報を
 
「すべて」だと思い込んでしまったり、
 
自分に合わない情報が頭に
 
入ってこなかったりする傾向もあるのだ。
 
 
 

人間の認知能力は、コミュニケーションに

必須な能力であるとともに、

 

「何回説明しても伝わらない」ことの

原因になっている点を理解しておきたい。

 

そのうえで、“伝わらない”を改善するために

どうしたらいいのか。

 

 

「伝わらない」を改善するためのヒントとは

 
 

「伝わらない」を改善するためには、

まず「相手の立場」に立ったコミュニケーションを

心掛けることだ。

 

報告するのも、

メールを書くのも、

受け取る側に立って本当に理解できる内容なのか

確認する。

 

そもそも何のために必要なのか、

その目的まで考えられれば、

おのずと相手に伝えるべき内容が変わってくるだろう。

 

 

また、

人間の言動の多くは感情に影響を受けてしまう。

 

仕事に感情を持ち込むのは合理的ではないと

頭で理解していても、

 

人間である以上自分の感情に左右されずに

行動するのは非常に難しい。

 

だからこそ、

 

相手の感情に配慮したコミュニケーションを

意識すると伝わりやすくなったり、

スムーズに受け取ってもらえたりする。

 

 

とはいえ、

人間は自分のスキーマや偏りを自覚するのが難しい。

 

自分の“伝わらない”原因が具体的に何であるのか、

 

理解できないと改善も難しいだろう。

 

現実にコミュニケーション力を磨くには、

いかに「失敗」から多くを学べるかがカギになる。

 

 

間違いや失敗はやむを得ず起こってしまうものとして、

 

では、どうすれば、

 

そうした間違いや失敗からの影響を

なるべく最小限に抑えることができるのかを、

 

コミュニケーションの達人たちは考えています。

 

失敗から学びを得て、改善していくことで、

コミュニケーションの力が磨かれているのです。

 

 

失敗は「分析」「修正」とセットでないと意味がない。

 

まずは、

スキーマの違いや認知力の

あやふやさを念頭に置いて、

これまでの“伝わらない

”経験を振り返ってみてはいかがだろうか。

 

改善に向けた一歩はそこからのようだ。

 

 

 

<参考:> 
 


 

1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、

 

 


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