2020/9/10

八ヶ岳を巡る、聖なる水と歴史の旅⑤

 
八ヶ岳を巡る、
聖なる水と歴史の旅⑤
 
 
 
 
 
 
 
水の女神に会える場所・
多留姫の滝と八島高層湿原
 
 
宇宙からのエネルギーが最大限に
 
降り注ぐライオオンズゲートの8月8日、
 
記者は奇跡的なご縁をいただき、
 
諏訪を訪れることになった。
 
その日は朝からハチが窓の向こうから
 
飛び込んできたり、
 
諏訪へ向かう途中でも
 
888・8888ナンバーを
 
これでもかというくらい目撃するなど、
 
兎にも角にも「8」に導かれた
日でもあった。
 
 
そんな折、
諏訪ガイドのスペシャリストであり、
 
諏訪の歴史研究歴40年以上という、
 
谷澤所晴一氏のお話を伺うことができた。
 
 
というわけで、
こんかいは少し長くなるが、
 
ライオンズゲート特別企画として、
 
谷澤氏のインタビューを中心に
 
ご紹介いたします。
 
 
記者:よろしくお願いいたします。
 
谷澤:はい、
では最初に多留姫伝説のお話をします。
 
多留姫の滝は、
茅野の玉川という地域にありますが、
 
そこは神話の時代における諏訪の
タケミナカタの娘さんである多留姫が
祀られている場所でもあります。
 
多留姫様は水の神であり、
写真にある滝がご神体です。
 
 
 
 
 
 
記者:滝の女神様というと、
       瀬織津姫を想像するのですが。
 
谷澤:そうですよね、
    でも、瀬織津姫とはまた違う
    神様だそうです。
 
記者:そうなのですね。
 
谷澤:はい、そして、
       多留姫様の御父上である
    タケミナカタは、なんと21柱の
    お子神様をお持ちで、
        21番目のお子神が多留姫様です。
 
    男の子が18柱で、
       あとは女の神様だったそうです。
  
    そして、
       その中の多留姫様には一つ悲しい
    伝説があります。
 
    タケミナカタの男の子の神様の中に
       「伊豆早雄」という神様がおられます。
 
    多留姫様と伊豆早雄神は、
       それは仲の良い兄妹神
    だったそうなのですね。
 
    しかしある時、
       タケミナカタの命によって
    伊豆早雄神が長野にある
    皆神山を治めるために移られた。
 
    多留姫様はそれを大いに悲しみ、
        流された涙が滝になったという
    言い伝えがあるのです。
 
    実際、とても里に近い滝でありながら、
       何とも言えない美しい滝なのですね。
 
 
 
 
 
記者:本当にきれいな滝ですね。
 
谷澤:そうなのです。ちなみに、
       茅野には他にも横谷温泉に近い
    乙女滝など
       有名な滝があるのですが、
    それらは一部人工的な滝です。
 
    反して、
       多留姫の滝は完全に
    自然の滝なのですよね。
 
    里から一番近い滝なので、
       観光的にはあまりスポットを
    浴びていない場所でもあるのですが、
 
       逆に言えばとても
    訪れやすい滝でもあり、
       更にそのようないわれのある
    悲劇の里でもあるのです。
 
 
 
 
 
諏訪にはご神体にまつわる
概念というものがあります。
 
例えば山であったり木であったり
石であったり。水も然りですが、
 
神々がそれらに姿を変えているという
考え方が自然と定着しているのですね。
 
そうした背景から、
 
水の属性を持っているのが多留姫様と
いうわけなのですね。
 
そんな背景から、
一番自然を反映しているという印象です。
 
 
そして、
多留姫の滝はやがて諏訪湖に
つながる川でもあるのですが、
 
その滝をさかのぼった先にあるのが
霧ヶ峰であり、そして八島高層湿原。
 
ここは諏訪信仰においてとても
神聖な場所です。
 
 
 
 
 
 
話は少し長くなるのですが、
 
縄文時代において八島高層湿原の
少し上に鷲ヶ峰という場所があります。
 
そしてそこには星糞峠という、
黒曜石の有名な産出地があります。
 
そのことをお話するとピンとくる
方も多いと思いますが、
 
星糞峠は日本一の
黒曜石の産出地なのですね。
 
逆に言うと、
 
日本の黒曜石というのは神津島と
星糞峠でしか採れなかったのです。
 
 
記者:なるほど。
      そうなると東北辺りで発見されている
   黒曜石というのは?
 
谷澤:それは逆に言うと、
       星糞峠をはじめとする場所から
    持って行ったということになるのです。
 
    東北や九州地方で見つかったものは、
       ここから運んだものなのですね。
 
    極端な話で言えば、
       北海道まで運ばれた物もあります。
 
 
記者:なるほど、でも、
       北海道で言えばブラックシリカとか、
    黒曜石の一種ですよね。
 
谷澤:そうですね。
       鉱物として産出される黒曜石と言えば
    基本的に本州では霧ヶ峰からしか
    産出されなかったということなのです。
   
    そして黒曜石の一大産出拠点が
    霧ヶ峰の八島高層湿原の上の
    場所だったというわけです。
 
 
 
 
 
では、
八島高原湿原とは一体どういう
場所だったのかというと、
実は縄文時代の遺跡が
いくつか見つかっているのですが、
 
それらは生活の痕跡として見つかっており、
逆に男性の痕跡が無いのです。
 
つまり、
女性が生活していた痕跡だけが残っている。
 
ということは、
黒曜石を握っていたのは女性だったと
言う訳です。
 
通常、
鉱脈を掘るというのは男性の仕事
というイメージがあると思いますが、
ここではそうでなく、
男性は主にこの辺りで狩りを行い、
 
女性達が切り出した黒曜石を加工していた
というのが実際だったようです。
 
そういう意味において
八島高原湿原というのは
「女神が降り立った聖地」という側面も
あるのですね。
 
女性が生活をしながら
女性の神様=女神をお祀りしていた
場所でもあり、
八島高層湿原そのものが
ご神体でもあるわけです。
 
 
 
 
 
 
諏訪には2つの神様が存在していて、
 
ひとつは「ミシャクジ神」という、
いわゆる蛇神様、
つまり男性のシンボルであり、
男性を象徴する神様。
 
もう一方の女性性を現す神様は
「水の属性」を持つ女神です。
それは瀬織津姫の伝説にも
つながってくると思うのですが、
 
水がこんこんとわき出す様子が、
女性の「生み出す力」を表現している。
 
それが諏訪の歴史においては諏訪湖であり、
霧ヶ峰の八島高層湿原というわけなのです。
 
 
 
 
 
 
その女神祭祀としての八島高原湿原ですが、
ではそのご神体はどこかというと、
実は諏訪大社下社春宮です。
 
春宮は縄文時代、
とても重要な場所でした。
 
なぜなら、
八島湿原の地下からこんこんと
湧き出てくる砥川に合流する。
 
その砥川が春宮の横を
流れているわけですね。
春宮の先に赤い2つの橋がかかっている
島があるのですが、
 
その横を流れる川の源流が
八島高原湿原なのです。
 
 
 縄文時代、
春宮の辺りまでが諏訪湖のほとりであり、
積み出し港の役割を果たしたいました。
 
女性がいかだを組み、
黒曜石を春宮まで運ぶ。
そこから船で対岸の上社まで
運び出された後、
 
黒曜石を大きな船に乗せ換え、
上社まで運んだのが男性で、
 
さらに男性たちが八ヶ岳まで運び、
加工して利用していたのです。
 
 
そんな背景から、
上社は男神・下社は女神という認識でも
あるわけです。
 
それは、
タケミナタカタ神と后神である
ヤサカトメが降臨される
以前の話なので、
それが上社の話に行きつくのですね。
 
上社のご神体山がミシャクジである
守屋山であり、
火を噴く八ヶ岳が男性性の象徴で
男神であるのに対し、
 
水の根源である霧ヶ峰の八島湿原は女性性、
女神の象徴ということなのです。
 
 
 
 
記者:なるほど、
       もうこれだけですごい
    お話だと思いましたが,
       ちなみに「黒曜石」というのは、
       諏訪の人たちにとって
    どういうものなのでしょうか,
 
 
谷澤:そうですね 、
       やはり黒曜石は「聖なる石」
    だったと思います。
    
    糸魚川周辺の人たちにとっての
    翡翠と同じです。
 
    それと、余談になってしまいますが、
        黒曜石は矢じり・ナイフに
    加工されたりするでしょう、
 
    その際に削った後、黒曜石の
    「くず」がでますが、
    縄文初期の農耕では、
 
    その「くず」を天然の肥料として
    畑にまいていたようで、
 
    それは豊かな農作物として
    当時の人々の生活に
 
    大いなる恵みをもたらしていた
    という学説があります。
 
    縄文の人たちは青々と茂る作物の
    様子を見て、
    「黒曜石にはすごい生命の
    力が宿っているに違いない」
    と思ったようです。
 
    そんな黒曜石に対する考えが、
    今の諏訪の人々にとっても
    受け継がれているのですね。
 
    また、
    神聖なる石である黒曜石で
    作られた矢じり・ナイフで
    狩りをすることは、
    獣の命をいただくにあたり、
 
    聖なる石で成仏させるという、
    命の尊重という
    側面もあったのだと思います。
 
    そのような背景から、
    黒曜石とは「死と再生の象徴」
    でもあったと思います。
 
 
 
記者:なるほど、
       とても感動しました。
    ありがとうございました。
 
 
今回、谷澤氏から貴重なお話を伺い、
最後は二人で思わず
感動の涙を流したのであるが、
 
諏訪とは、
それはど魂を揺さぶられる場所で
あることは間違いないと思う。
 
日本人の祖先が子孫である私たちへと
命をつなげるため、地震や噴火など、
あらゆる災害を自然の神々と共に
懸命に生きてきた痕跡がリアルに蘇ります。
 
また、
別の説では八島湿原の「八」は
湿原の数ではなく、
「無数」=「∞」の意味でもあるという。
 
「8」という数字は宇宙そのものなのです。
 
 
2020年も残すところわずかと
なった訳だが、
 
これから先、
さらに厳しい時代になるのは想像に難しくない。
 
けれど、
そんなときこそあらゆる困難んを
乗り越え、未来に命を繋げてくれた、
 
私たち日本人の祖先の
思いを忘れてはならないと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
1喧嘩はするな、
2意地悪はするな、
3過去をくよくよするな、
4先を見通して暮らせよ、
5困っている人を助けよ、
 
 

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