世界中で盛んに行われている
「地球外生命体」の研究。
なぜ、
彼らは地球外生命体を探しているのだろうか……。
元アメリカ航空宇宙局(NASA)研究員で、
著書に『やっぱり宇宙はすごい』がある
佐々木亮氏が、
地球外生命体を探すことの
本当の目的について解説する。
私たち自身を知ることに繋がる
研究者たちはなぜ地球外生命体を
探しているのでしょうか。

もちろん、
夢とロマンだけでは研究とは言えませんし、
研究を進めるためのお金を
確保することも出来ません。
世界中で地球外生命体の研究が
盛んに行われているのは、
やはり地球外生命体やそれらが
生きられる環境を知ることは、
私たち自身を知ることに
繋がっていると考えられているからです。
生命が誕生する条件は、
「液体の水、有機物、エネルギー」です。
ただ、これはあくまで地球上での
条件から考えたものです。
たとえば、
地球外の星Aで新たに生命が
見つかったとしましょう。
星Aは、私たちが知っている生命が
生きる星の2例目になりますね。
そのとき、
この発見から得られた知見と、
地球の生命とを比較して出てきた共通点や
相違点を見ることで、
生命が誕生する条件をまた新たに
考え始めることができます。
地球上の生命しか知らずに私たちが
立てた生命誕生の3要素に、
もしかすると新しい要素が加わったり、
あるいは前提が覆されたりする可能性もあるのです。
つまり、
地球外生命体の探査には、
今までは気づいていなかった地球の
特性や地球生命の起源を知る手がかりを
見つけることへの期待が込められているのです。