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2025/2/9
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睡眠は「脳の誕生」以前から存在していた…なぜ生物は眠るのか「意外と知らない理由」 |
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睡眠は「脳の誕生」以前から存在していた…なぜ生物は眠るのか「意外と知らない理由」私たちはなぜ眠り、起きるのか?
長い間、生物は「脳を休めるために眠る」と 考えられてきたが、本当なのだろうか。
発売即重版が決まった話題の サイエンスミステリー『睡眠の起源』では、 「脳をもたない生物ヒドラも眠る」という新発見、 さらには自身の経験と睡眠の生物学史を 交えながら「睡眠と意識の謎」に迫っている。
私たちはなぜ眠るのか?眠りとは何だろうか。 夜が更けると眠くなり、毎晩寝床に就く。
眠っている間には、夢を見ることもある。 人間の三大欲求に食欲、性欲、 そして睡眠欲がある。
食欲は体の維持に必要なエネルギーを得るため、 性欲は子孫を残すため、 では睡眠欲は何のためだろうか。
人間は二晩以上眠らないと 精神に異常をきたすようになり、
ネズミを2週間にわたって起こし続けると死んでしまう。
睡眠には、 何か重要な役割があるに違いない。
私たちは、 眠りをどう認知し解釈してきたのだろう。
古代ヨーロッパにおいて、 眠りは死に近いものとされた。
眠っている間、魂は肉体を離れて浮遊し、 夢をもたらす。
夜が明けても魂が戻らないときには、 死が訪れるのではないかとして恐れられた。
18世紀になると、 睡眠を宗教的な解釈から切り離し、 科学的に捉え直そうと試みられたが、 せいぜい「睡眠は動物が意識を失う状態である」と 定義するにとどまった。
20世紀になり睡眠の科学的理解が大きく進んだ。 脳波の計測技術が開発され、 眠っているときと起きているときで 脳波の性質が異なることが分かったのである。
睡眠が、 脳の電気活動によって定義されるようになった。
しかしながら、 眠りの意義や役割、そのメカニズムについては、 まだまだ謎が多い。
睡眠薬なるものが開発されているが、 それはあくまでも今わかっている メカニズムに基づいて創られている。
現在、 世界中で多くの研究者が睡眠のメカニズムを 解明しようと研究しているが、 これがなかなかの難題だ。
睡眠は、 脳波によって定義されることからも分かるように、 脳で起きる現象である。
しかし、 ヒトの脳は約1000億個の神経細胞が 入り組んだ極めて複雑なシステムだ。
研究でよく用いられるネズミの脳でさえ、 約1億個の神経細胞からなるというから、 そこで起きている現象を解析するのは難しい。
睡眠の研究に何か革新を起こそうとすれば、 それはもっと単純な神経系を持つ 生物を研究することである。
脳を持たない動物「ヒドラ」私は幼少期から生き物が好きだった。 山口県で生まれた私は、 周囲を山々に囲まれた自然豊かな環境で育ち、 幼い頃から生き物に興味を持った。
小学生になると夏休みを使い、 自宅のみかんの木にいるアゲハ蝶の幼虫の観察をしていた。 毎日観察をしたいという理由で、 夏休みに計画していた家族旅行が 中止になることもあったらしく、 その熱中ぶりに両親は驚いたそうだ。
普段はほとんど動かないように見えるアゲハの幼虫も、 蛹になる前には大移動をして安全な場所を探す。
生物の本能行動は面白く、 神秘的に感じた。中学校や高校に進学しても、 一貫して生物に焦点を置いた研究を続け、 大学では迷わず理学部生物学科に進学した。
入学してすぐに「ヒドラ」という興味深い 動物を扱う研究室に所属した。
ヒドラは、クラゲやサンゴの仲間であり、 体長1センチメートル弱ほどの小さな動物だ。
細長い体の先に触手を備えているが、 クラゲのように水中を浮遊するのではなく、
水底に付着して生活する。ヒドラは進化の過程で、 約6億年前に他の動物と分岐した。
ヒトが誕生したのは約500万年前というから、 私たちとは随分かけ離れた原始的な動物である。
ほとんどの動物は、 無数の細胞が集まって器官や臓器を 形成する複雑な構造をしているのに対し、
ヒドラは体の内側と外側の二つの細胞層からなる シンプルな体の構造である。
二つの細胞層の間に神経細胞が存在するが、 中枢がない。
つまり、「脳を持たない動物」である。
しかし、 顕微鏡で拡大してよく観察すると、 意外に複雑な動きをするから面白い。
私たちのように歩いたり走ったりするわけではないが、 伸びたり縮んだり体をくねらせたりする。
ある日、 実験室で飼育用のビーカーの中にいる ヒドラを眺めていると、 ヒドラが時折じーっと動かなくなることに気が付いた。
眠っているのだろうか。 もし脳が無くても眠るとしたら……
「睡眠は脳のためにある」 という大前提を疑いたくなった。
私が、 図らずも謎に満ちた睡眠研究の 世界に足を踏み入れた瞬間である。
睡眠を定義する指標とは睡眠は脳波の変化を伴うと述べたが、 特別な装置を用いなくとも、 もっと簡単にそして一般的に 睡眠を定義することができる。
それは「可逆的な行動の静止」 「反応性の低下」「恒常性」に 代表される睡眠の行動指標だ。
「可逆的な行動の静止」は、 眠っているときには動きが止まるものの、 刺激を与えると目が覚めることを意味している。
麻酔をかけられたときには、 手術などの強い刺激を受けても 目が覚めることはないから、 麻酔は睡眠ではない。
「反応性の低下」は、 弱い刺激では簡単に目が覚めないことを意味する。
例えば窓のそばにある椅子に座ってくつろいでいるとき、 目が覚めて意識があれば、
風になびくカーテンが体に触れるとすぐに気付くが、 もし眠っていたなら、 強く当たるか繰り返し当たらないと気付かないだろう。
「恒常性」は、 必要な睡眠量があらかじめ決まっていて、 それを担保する仕組みがあることを指す。
少々難しい概念だが、 夜更かしをして睡眠が不足すると、 その分を補おうとして、 朝起きられないといったことである。
これら三つの指標に加え、 睡眠は体内時計に支配されていて、 昼行性であるヒトは夜に眠るが、 夜行性のネズミは昼に眠る。
こうした行動指標に基づくと、 ヒトやネズミをはじめとする哺乳類に限らず、 魚や昆虫も眠る。
これまでに眠らない動物がいると報告されたことはなく、 睡眠は動物にとって欠かせない現象なのである。
では、 脳を持たないヒドラは眠るのか。
私がヒドラの睡眠を検証する実験を始めた頃、 時を同じくしてアメリカの研究グループが、 (ヒドラと同じく脳を持たない) クラゲの一種も眠ることを報告した。
我々もヒドラの行動を解析する装置を 作製して解析を進めたところ、
ヒドラが体を休めているときには、 光や餌に対する反応性が鈍くなっており、 さらにはヒドラを揺すって長時間起こし続けると、
その後に不足した分を補うようにして 睡眠量が増えることを発見した。
これはつまり、 ヒドラが眠っていることを証明する結果であり、 睡眠に必ずしも脳が必要ではないことが明らかになったのだ。
ヒドラにも「睡眠のメカニズム」があったヒドラはどのような仕組みで眠っているのだろう。 ネズミや昆虫を用いた研究から、
神経細胞同士のコミュニケーションに使われる 化学物質や神経細胞の中で働く遺伝子が、 睡眠の調節に関わることが分かっている。
こうした睡眠のメカニズムは、ヒドラにも存在するのだろうか。
神経細胞のコミュニケーションに使われる 物質としては、 ドーパミンやGABA(ガンマアミノ酪酸)が有名である。
ヒドラを用いた実験から、 ドーパミンとGABAがともに 睡眠の調節に関わることが明らかになった。
さらに、 メラトニンと呼ばれる睡眠誘導物質を投与すると、 ヒドラが眠りやすくなることが分かった。
遺伝子についてはどうだろうか。
ヒドラにおいて、 睡眠に伴い量が変化する遺伝子を探し、 その機能を昆虫である ショウジョウバエで解析することにした。
ショウジョウバエはコバエの一種であるが、 遺伝子操作がしやすく、 古くから実験動物として用いられてきた。
体内時計や睡眠の研究でも 大活躍している生物である。
ショウジョウバエで、 ヒドラの睡眠に関連する遺伝子の働きを低下させると、 睡眠量が変化することが分かった。
生物種を超えて共通する 新しい睡眠遺伝子の発見である。
脳を持たないヒドラに睡眠という 「現象」が存在するのみならず、
その「メカニズム」も他の生物と共通していた。
メカニズムも同じということは、 進化の過程でヒドラと他の生物が 別々に睡眠を獲得したわけではなく、 ヒドラとヒトが分岐する前の共通祖先も、 同じ仕組みで眠っていた可能性が高い。
ヒトの場合、 睡眠不足が続くと思考力や判断力が低下するほか、 場合によっては体重が増えやすくなる、
肌荒れがひどくなるなどの身体的変化が現れる。
全く眠れない状態が続くと、 幻覚などの精神症状が現れるようになる。
ヒドラを睡眠不足にさせると、 何が起きるのか。
ヒドラを揺すって起こし続けたり、 ヒドラが眠りにくくなる薬を投与したりすることで、 細胞増殖が低下することを確認した。
新しい細胞が作られなくなるということだ。
ヒドラにおける睡眠の意義や役割については まだ研究途中であるが、 睡眠が体の維持や成長に関わることは間違いない。
「寝る子は育つ」という諺は、 ヒドラにも当てはまるようだ。
「眠りの起源」をたどる旅複雑な現象を前にしたとき、 私たちは常にその起源に立ち返らねばならない。
次々と新しい技術が生み出される現代だからこそ、 原点から本質を見抜くことが より一層重要なのではないだろうか。
睡眠とは何か、 なぜ私たちは眠るのか――。
ヒドラが教えてくれたのは、 眠りの起源は6億年以上前に遡り、 睡眠は必ずしも脳に付随する現象ではないということだ。
そして、 脳がある場合でも無い場合でも、 睡眠を調節するメカニズムは共通しているのである。
果たして、 睡眠の最小構成要素は何であろうか。
興味深いことに、 実験室で神経細胞の集団を培養すると、 眠っているときの脳に似た電気活動が観察される。
どれくらいの数の神経細胞が集まれば 睡眠が生じるのかなど、 興味は尽きない。
眠りの起源を解明する挑戦は まだ始まったばかりである。
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