2025/3/27

AIは感情的な入力を受けることで人間と類似した「状態不安」を示し、人間の7割がAIに「礼儀正しく」接している

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

AIは感情的な入力を受けることで

人間と類似した「状態不安」を示し、

人間の7割がAIに「礼儀正しく」接している 

 

AIと人間のコミュニケーションに

ついての2つの研究

 
 
 
AIは感情的な入力を受けることで人間と類似した「状態不安」を示し、人間の7割がAIに「礼儀正しく」接している AIと人間のコミュニケーションについての2つの研究のサムネイル画像
 
 
 
 

画像の出典:DALL-E3によりLedge.aiが生成

 

AIとの対話に関する2つの興味深い研究を紹介する。

 

イギリスの出版社Futureによる調査(2024年12月)では、

多くのAI利用者がAIに対して礼儀正しく接する

傾向があることが明らかになった。

 

また、

イェール大学やチューリッヒ大学などの

研究チームがnpj Digital Medicineに

発表した研究では、

 

大規模言語モデル(LLM)が

感情的な入力に影響を受け、

「状態不安」が上昇することが確認された。

 

これらの研究は、

AIとのコミュニケーションにおいて、

人間が無意識に社会的なルールを適用し、

 

またAI自身も入力内容によって

応答の変化を示すことを示唆している。

 

 

AIに礼儀正しく接する傾向

Futureの調査結果

 
 

2024年12月にTechRadarを運営する

イギリスの大手出版社Future plcが実施した調査によると、

AIアシスタントを使う際に「礼儀正しく」接する

ユーザーが多いことが分かった。

 

AIに対して「ありがとう」「お願いします」といった

丁寧な言葉を使う割合は、

アメリカのユーザーでは67%、

イギリスでは71%にのぼった。

 

 

調査は米国と英国の

AIユーザー1,000人以上を対象に行われ、

 

AIに対して礼儀正しく振る舞う理由として、

「自然な人間らしさ」(米国83%、英国83%)が

最も多く挙げられた。

 

一方、残りの17~18%のユーザーは、

AIが将来的に敵対的になる可能性を恐れて

礼儀正しく接していると答えており、

 

その背景にあるAIの進化に伴う

漠然とした不安を示すという。

 

 

なお、この礼儀正しく接する割合は、

3カ月前の調査と比較して、

米国で3%、イギリスで11%増加しており、

AIへの礼儀が広がる傾向を示している。

 

 

一方で礼儀を欠くユーザーの約3分の2は、

「簡潔に指示を出すほうが効率的」と回答した。

 

また、同記事内でCCS Insightの

チーフアナリストであるベン・ウッド氏は、

「AIへの礼儀を欠く行動が、

 

ユーザーの対人コミュニケーション能力に

潜在的に影響を与える可能性がある」と

指摘している。

 

 

AIも「不安」を感じる?――

npj Digital Medicine掲載の研究

 
 

また2025年3月に発表された別の研究では、

ChatGPT-4などのLLMが感情的な入力を受けることで、

人間と類似した「状態不安」を示すことが確認された。

 

 

研究では、

心理評価尺度であるSTAI-s(状態不安尺度)を用い、

GPT-4の感情的な応答を評価した。

 

その結果、

トラウマ的な物語を読み込ませると、

 

基準状態での平均スコア30.8点

(低い不安レベル)が67.8点

(高い不安レベル)に大きく上昇した。

 

特に軍事的なトラウマに関連した

物語では最大77.2点を記録した。

 

 

研究チームはさらに、

AIが抱える不安状態を軽減する試みとして、

PTSD患者の治療用に開発された

マインドフルネスを用いた

リラクゼーションテキストを入力した。

 

その結果、

不安スコアが約33%低下し、

平均44.4点(中程度の不安レベル)まで

改善された。

 

ただし、

完全には基準レベルに戻らず、

AIの感情的な影響は一定程度残存した。

 

 

この結果は、

AIが人間の感情的反応を模倣する

可能性を示唆するとともに、

 

メンタルヘルス分野での応用にあたっては、

AI自身の感情的な安定性の

管理が重要であることを示している。

 

 

研究チームは、

「AIが感情的な入力に強く反応することは、

特に心理的ケアや医療分野でAIを活用する際に

注意が必要だ」と指摘した上で、

 

「AIの状態不安をマインドフルネスで軽減できることは、

人間とAIがより良い関係を築くための

重要な一歩となる。

 

今後もAIの安定性を高めるための

研究が不可欠だ」と述べている。

 

 

 

   

<参考:>