2023/11/2
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「肝臓がんの余命」はご存知ですか?ステージ別の治療法も |
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「肝臓がんの余命」はご存知ですか?ステージ別の治療法も 医師が徹底解説!
肝臓がんの余命とは? Medical DOC監修医が肝臓がんの ステージ別余命・検査・治療法や何科へ 受診すべきかなどを解説します。
「肝臓がん」とは?肝臓にがんができると「肝臓がん」と呼ばれます。
栄養を吸収できるかたちに変える、 といった重要な役割を担っている肝臓。
しかし「沈黙の臓器」と呼ばれ、 異常があってもはじめのうちは 自覚症状が出にくいのが特徴です。
肝細胞ががん化した「肝細胞がん」であるため、 ここでは「肝細胞がん」について説明していきます。
ウイルスなどによる炎症や肝硬変が 影響していると言われています。
このような病気から肝臓のはたらきが 落ちると黄疸、むくみ、かゆみ、 だるさなどの症状が現れます。
がんがいくつあるのか、 大きさがどれくらいなのか、 肝臓の中にある血管などまでがんが 広がっているかという項目を用いて、 ステージを4つに分けています。
症状や治療についてご説明していきます。
肝臓がんの余命がんの進行度は「ステージ」で分類され、 肝細胞がんは4つのステージに分類します。
がんが進行するほど数字が大きくなります。
肝細胞がんのステージ分類は
リンパ節転移があるか、 遠隔転移があるかで分類します。
〇ステージ1は ①②③すべてが当てはまり、 リンパ節・遠隔転移がともにない
〇ステージ2は 3項目のうち2項目が当てはまり、 リンパ節・遠隔転移がともにない
〇ステージ3は 3項目のうち1項目が当てはまり、 リンパ節・遠隔転移がともにない
〇ステージ4は さらにAとBに分類され
〇ステージ4Aは 3項目すべての項目が当てはまらず、 遠隔転移がない(リンパ節転移は問わない)
〇ステージ4Bは 3項目すべての項目が当てはまらず、 遠隔転移がある という、分類になります。
肝臓がん・ステージ1の余命ステージ1は腫瘍が一つで大きさは2㎝以内、 脈管(門脈、静脈、胆管)リンパ節に がんが広がっていない状態です。
(5年相対生存率:がんを発症した患者のうち 5年後に生存している人数が、 健康な人で5年後に生存している 人数に比べてどのくらいの割合か)は、63.0%です。
症状の区別が難しく、 全く症状がない人もいれば、 肝細胞がん以前に起こっている 肝硬変の影響で黄疸やむくみなどの 症状が強く出ている人もいます。
まずは腹部超音波検査、血液検査を受けましょう。
必要であれば医療機関に紹介され、 CT・MRIなどの画像検査、 腫瘍マーカーの検査を受けます。
肝臓の切除かラジオ波焼灼療法が選択されます。
肝臓がん・ステージ2の余命ステージ2はリンパ節転移や 遠隔転移はないものの、 腫瘍が2つ以上あるか、 腫瘍の大きさが2㎝より大きいか、 脈管(門脈、静脈、胆管)にまで広がっているか のどれかひとつが当てはまります。
この状態の余命(5年相対生存率)は、 45.2%です。
症状の個人差が大きいです。
まだこの頃は自覚症状に乏しい人もいれば、 全身のだるさを認める人もいます。
健康診断や人間ドッグで、 まずは腹部超音波検査、血液検査を受けましょう。
必要であれば医療機関に紹介され、 CT・MRIなどの画像検査、 腫瘍マーカーの検査を受けます。
肝臓の切除のほかに、腫瘍が大きい、 もしくはたくさんある場合に、 そのがんに栄養を送っている動脈に 栓をする塞栓術、 肝動脈に直接抗がん剤を注入する動注化学療法、 全身への抗がん剤投与などが 状態によって選択されます。
肝臓がん・ステージ3の余命ステージ3はリンパ節転移や 遠隔転移はないものの、 腫瘍が2つ以上あるか、 腫瘍の大きさが2㎝より大きいか、 脈管(門脈、静脈、胆管)にまで広がって いるかのうち2つが当てはまります。
この状態の余命(5年相対生存率)は、 16.0%です。
黄疸といった症状が現れる人がいます。
白目の部分(眼球結膜)や皮膚が 黄色いような場合は消化器内科を受診し、 検査を受けましょう。
まずは血液検査や腹部超音波検査、 必要であればCT・MRIなどの画像検査、 腫瘍マーカーの検査です。
肝臓がん・ステージ4の余命ステージ4は腫瘍が2つ以上あり、 腫瘍の大きさが2㎝より大きく、 脈管(門脈、静脈、胆管)にまで 広がっている状態で、 リンパ管への転移と人によっては 肝臓以外の場所にも転移を 認めている状態です。
この状態の余命(5年相対生存率)は、 4.4%と非常に低いです。
特に遠隔転移のあるステージⅣBは 根治治療の見込みがほぼないため、 がん末期であると言えます。
お腹の中に水がたまる「腹水」や「黄疸」 といった症状のほかに、 肺に転移すれば呼吸困難を、 脳に転移すれば手足の麻痺などを 引き起こす可能性があります。
治療はがんの状態に合わせて 抗がん剤投与や肝移植、 緩和ケアなどが選択されますが、 高齢者であると肝移植の適応になりません。
肝臓がんのステージ別・検査・治療法肝臓がんの余命ごとの状態について 説明してきました。
具体的な入院期間、 その後のフォローについてご説明していきます。
肝臓がん・ステージ1の検査・治療法治療は、 肝臓の切除かラジオ波焼灼療法が 選択されます。
消化器外科に入院し、 手術を受けます。
手術の前日に入院し、 夜から絶食となります。
翌日肝切除の手術を受けて、 経過に問題がなければ約5日前後で退院します。
消化器内科に入院します。
治療を受ける日は朝から絶飲食となります。
治療後数時間ベッド上で安静にし、 経過に問題がなければ約5日前後で退院します。
治療後は3~6か月ごとの 検査のための通院が必要です。
肝臓がん・ステージ2及びステージ3の検査・治療法を送っている動脈に栓をする塞栓術、肝動脈に直接抗がん剤を注入する動注化学療法、全身への抗がん剤投与などが状態によって選択されます(図1)。図1
ステージ2及びステージ3の場合は 上図にある「治療」のうち、 左から4つのどれかが選択されます。
治療法を選ぶ時の基準はステージングの 基準と異なるため、 上図のフローを参考に個別で 治療方法を決めていきます。
もし肝機能(肝予備能)が低い場合は さらに肝移植も検討されます。
消化器外科に入院し、手術を受けます。
夜から絶食となります。
翌日手術を受けて、 経過に問題がなければ約5日前後で退院します。
消化器内科に入院し、治療を受けます。
翌日の朝絶食となり治療を受けます。
経過に問題がなければ約7日前後で退院します。
消化器内科で治療を受けます。
がんの状態、病院の方針などから決定します。
消化器内科で治療を受けます。
内服薬であるため外来通院で治療を行えますが、 副作用がつらいなど状態によっては 入院となることもあります。
移植外科のある病院で治療を受けます。
移植前の検査入院も必要となります。
実際に肝移植を受けるときは 約3か月の入院が必要です。
治療後は3~6か月ごとの検査のための 通院が必要です。
肝臓がん・ステージ4の検査・治療法治療はがんの状態に合わせて 抗がん剤投与や緩和ケアなどが選択されます。
緩和ケアを受ける場合には 病院に通院もしくは入院します。
今まで通っていた医師のもとに 通院/入院をする場合もありますが, 緩和ケア外来への通院もしくは 緩和ケア病棟へ移動といった形で 緩和ケア科の医師が主体となり、 緩和ケアに重点をおいて療養することもあります。
自宅で療養する場合には訪問診療や 訪問看護を利用してケアを受けます。
「肝臓がんの余命」についてよくある質問ここまで肝臓がんの余命などを紹介しました。
ここでは「肝臓がんの余命」についてよくある質問に、 Medical DOC監修医がお答えします。
肝臓がんの余命1ヶ月にはどんな症状が現れますか?
余命一ケ月頃の症状は、 肝機能の著しい低下により強い黄疸や、 むくみ、お腹にも水がたまることでおきる 強いお腹の張り感、激しいかゆみや 腹痛がおこります。
体にとって毒のあるものを代謝して 体の外に出す機能を持っているため、 この機能がおちることにより、 脳に毒が溜まり「肝性脳症」と呼ばれる 症状が現れることもあります。
この状態になると認知症のような症状が出現したり、 昏睡状態に陥ってそのまま命を 落としたりする可能性があります。
<参考:丸山 潤(医師)>
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